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Z1540 念仏無上醍醐編 諦忍 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z15_0152A01: 最下之極善最上之法と云へり。若爾らば今又
Z15_0152A02: 極惡最下之人極善最上之來迎と云べし。道理
Z15_0152A03: 分明なるが故なり。凡そ來迎は何の(タメ)ぞとならば。臨
Z15_0152A04: 終には三種の愛心起りて障と成り。又惡魔競ひ起て
Z15_0152A05: 往生を妨る時なる故に。佛來て力を添へ給ひ慈悲加
Z15_0152A06: 祐し。障り無く往生を遂させ給へるなり。然らば下
Z15_0152A07: 品下生の人は。上中品より遙かに劣りて。罪障も魔
Z15_0152A08: 障も厚き故に。佛力の加祐も亦强からずしては叶は
Z15_0152A09: ざる道理なり。例せば諸佛の大悲は平等なりといへ
Z15_0152A10: ども。極惡常沒の者に於て偏へに悲しむ。父母の其
Z15_0152A11: 子に於る愛心平等なりといへども。病者に於ては心
Z15_0152A12: 偏へに悲しむが如しと云へるに同じ。是の如く解し
Z15_0152A13: 得る時は。極善の念佛と。極善の來迎と。首尾相應
Z15_0152A14: して。經の文竝に選擇集の文面甚だ(オタヤカ)なり。後學深
Z15_0152A15: く之を察せよ。若坐華或は金華來迎とするときは。劣りたる來迎なる故に極善の念佛の修因に相違して首尾不
Z15_0152A16: 相應なり。黑谷語燈錄第七。東大寺十問答の第十に問て曰。
Z15_0152A17: 臨終の來迎は報佛にて御座(ヲハシマ)し候歟。答。念佛往生の人
Z15_0152B01: は報佛の迎に預る。雜行の人人の往生するは必ず化
Z15_0152B02: 佛の來迎にて候なり。念佛も或は餘行を雜へ。或は
Z15_0152B03: 疑心を聊も雜ゆるものは化佛の來迎を見て佛をかく
Z15_0152B04: し奉るものなりと。已上此答の意に依らば。下品下
Z15_0152B05: 生の者は惡人なれども。行ずる所正しく本願の念佛
Z15_0152B06: なる故に。報佛の來迎なるべき事。道理決定せり。
Z15_0152B07: 此金蓮華唯是燈華ならば。語燈錄の判釋は謬なる
Z15_0152B08: べし。若語燈錄を以て正とせば。群疑論の釋は用ゆ
Z15_0152B09: べからず。熟惟に乃至十念の本願なれば。縱ひ大惡
Z15_0152B10: 人なりとも。念佛を修するに於ては。何ぞ報身の來
Z15_0152B11: 迎を垂ざらん。五劫まで思惟せる本願の。疎略なる
Z15_0152B12: ことは聊もあるまじき理なり。然らば則ち今予が談
Z15_0152B13: ずる所の爲極惡最下之人極善最下之來迎と云
Z15_0152B14: は。其理至極せるに非ずや。鎌倉宗要曰。十八十九
Z15_0152B15: 順次[なり]也。於念佛スル生因來迎攝凡トノ
Z15_0152B16: 三願。釋當知本願最爲强。百卽百生トハ謂也。
Z15_0152B17: 今此に依らば五逆の罪人も正しく此三願に乘ずる

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