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Z1540 念仏無上醍醐編 諦忍 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z15_0151A01: 正法。嗚呼悲しひかな。痛哭流涕し。大息する
Z15_0151A02: に堪たり。予や山林樸樕口頭[シテ]草木ンヿヲ
Z15_0151A03: 然に世上の(ダン)(〴〵)たるを聞て。一片護法の婆心已むこ
Z15_0151A04: とを得ず。叨りに筆を弄するのみ。可畏の後學。我執
Z15_0151A05: を離れ正見を得て。如實に大法を弘通せんこと。深
Z15_0151A06: く希ふ所なり。
Z15_0151A07:   下品下生來迎祕釋
Z15_0151A08: 觀經下品下生の段に。十惡五逆の罪人。忽ち宿緣に
Z15_0151A09: 催されて。臨終の時善知識に逢て。十念を唱へ畢る
Z15_0151A10: 時。金蓮花の。日輪の如くなるを見て。則ち往生す
Z15_0151A11: ると說り。是に就て群疑論に三種の釋を設たり。一
Z15_0151A12: には是如來の坐華なり。二には大惡人なる故に佛迎
Z15_0151A13: なし。唯蓮華のみなり。三には往生人の坐する華な
Z15_0151A14: りと。傳通記に感師闇師靈芝戒度等の釋を引て。詳
Z15_0151A15: に評論あり。往て見べし。鎌倉宗要には上三品
Z15_0151A16: 報化。中上等但見化佛。下下品但見金蓮花と云
Z15_0151A17: へり。今密敎に依て見れば。大に甚深の義趣あり。
Z15_0151B01: 所以者(ユヘイカン)何となれば。此蓮華卽ち日輪。日輪卽ち蓮華
Z15_0151B02: にして。彌陀の三昧耶形なり。當麻變相下品下生の段に日輪の內に蓮華を畫けり祕意
Z15_0151B03: 知んぬべし。日輪を以て彌陀とすることは。彌陀は則ち[アン](アン)
Z15_0151B04: 輪。百光遍照の大日なるが故なり。[ア]()[アア](アア)[アン](アン)[アク](アク)の時。彌
Z15_0151B05: 陀は[アン](アン)字に當る。理趣釋に曰。[アン](アン)者等覺灌頂極祕[シテ]
Z15_0151B06: 無邊智解脫三摩地陀羅尼門正法輪已上菩提心論
Z15_0151B07: に曰。[?]()證菩提義。已上皆是西方彌陀菩提門の
Z15_0151B08: 實義なり。三十七尊の內の光菩薩の眞言は[アン](アン)字なり。
Z15_0151B09: 光菩薩則ち日輪なり。光菩薩は南方四親近の內の第三に當る尊にして不二の極位灌頂の祕奧なり深
Z15_0151B10: 義更問。凡そ密敎には諸尊に悉く種子三形尊形あり。種
Z15_0151B11: 子は法身なり。三形は報身なり。尊形は應身なり。今
Z15_0151B12: 下品下生の惡人は。餘法の力用にては其罪(キエ)難きが
Z15_0151B13: 故に。無上醍醐なる法身陀羅尼の[ナ]()[ム]()[ア]()[ミ]()[ダ]()[ブ]()を以
Z15_0151B14: て。その逆罪を消滅し。化佛等の應身にては加祐の
Z15_0151B15: 力用弱き故に。直に三摩耶形なる報身の日輪。忝
Z15_0151B16: くも來迎を(タレ)たまへるなり。報身の來迎は最上の來
Z15_0151B17: 迎なり。選擇集に下品下生の十念を釋して。爲極惡

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