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Z1510 孝養集 覚鑁 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z15_0075A01: に可成。はかり事を廻らして。或時には御法を聞。
Z15_0075A02: 或時には如來に仕へ奉る。朝には色色の華を取て佛
Z15_0075A03: に獻り。夕には諸の香を燒て供養し奉る。如斯する
Z15_0075A04: に隨て彌覺りを開く。又聖衆も諸方より。かはるがは
Z15_0075A05: る來て。樣樣に佛を供養し奉り給ふ。或は八方上下の
Z15_0075A06: 佛國よりも供養し奉る事。又爾なり。凡地より天に
Z15_0075A07: 至り。宮殿より萬物に至まで。見る事は目出度妙な
Z15_0075A08: る色を見。聞事は悉く佛に可成法の音也。故に進む
Z15_0075A09: 思のみ有て。懈たる心なし。又衆生各各昔し佛道を
Z15_0075A10: 求し事を語る。或は父母に仕へ孝養をせし故と云。
Z15_0075A11: 或は念佛の業によると云。或は坐禪し。或は經を讀。
Z15_0075A12: 或は呪陀羅尼を誦じ。或は戒を持ち。或は禮拜をせし
Z15_0075A13: 故。皆是善知識の敎なりと云。加之今往生淨土
Z15_0075A14: る事は。皆是昔の善根に依て也。故に人の上下には
Z15_0075A15: よらず。只前世の功德勝れ。慈悲を心に染て。我身
Z15_0075A16: も衆生も皆佛也と覺りし人。彼國の上品の衆生と成
Z15_0075A17: なり。又然じて無生忍の位に叶ひぬれば。大光明を放
Z15_0075B01: ち。發大菩提心して自在の位となり。又事として心
Z15_0075B02: に不云事なし。樂み數を知所に非ず。千刧萬刧說
Z15_0075B03: とも盡さじと云り。彼國に生るる衆生は。皆是如是。
Z15_0075B04: 設ひ疾遲きありと云とも。終に佛の位に至る者也。
Z15_0075B05: 是偏に如來の悲願によりてなり。凡三世の諸佛の哀
Z15_0075B06: みは。彌陀如來におはします。十方淨土の樂みは。
Z15_0075B07: 西方極樂に極めたり。而に彼百千無量の樂も。只最
Z15_0075B08: 後臨終の一念にあらん。故に行者邪見を飜へして。
Z15_0075B09: 三寶の御敎へを信ずべしと。佛のべ給はく。
Z15_0075B10: 若有衆生。聞是說者。應當發願。生彼國土
Z15_0075B11: 意は若し人極樂世界に生るる樣を聞ん者は。正しく
Z15_0075B12: 願を發して。早く彼國に生るべしと也。
Z15_0075B13: 第十に極樂に生れたる人の。婆娑に歸りて緣ある人
Z15_0075B14: を始めとして。諸の衆生を導と者。彼國に生れて云
Z15_0075B15: 所の無生忍に叶ひ。智慧明にして神通朗らかなる事
Z15_0075B16: を得つれば。生生世世の恩有る人を知て。心のまま
Z15_0075B17: に不導と云事なし。旣に天眼を以て生るる所を見。

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