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Z1510 孝養集 覚鑁 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z15_0067A01: おはしまさば。御往生は疑ひなしと思し食せと。亦
Z15_0067A02: 知識問て言べし。何事か見えさせ給ふやと。又病者
Z15_0067A03: もありのままに答へよ。若し妄念の由を云ば。知識其
Z15_0067A04: に隨つて敎化せよ。又魔緣の由を云ば。其對治先に
Z15_0067A05: 申しつるが如し。又歌うたふ樣なる音。常に聞ゆる
Z15_0067A06: と云り。尙尙佛を念じ。能能懺悔をし給へ。其則地
Z15_0067A07: 獄の聲なり。然りといへども。能く彌陀を念じ給は
Z15_0067A08: ば。其罪は遁れ給ふべきなりと。經に曰。
Z15_0067A09: 若作五逆罪。得聞六字名。火車自然去。華臺卽來迎
Z15_0067A10:
Z15_0067A11: 文の意は。若し五逆をつくるといへ共。終る時。南無
Z15_0067A12: 阿彌陀佛と云六字を聞事あらば。地獄の迎へ去て。
Z15_0067A13: 極樂の迎可來と云り。旣に六字の名を聞てさへ。地
Z15_0067A14: 獄の迎へ去て。極樂の蓮臺來るべしと云り。況や一
Z15_0067A15: 心にして自唱んに。さり共とこそ覺え候へなどと云
Z15_0067A16: へ。亦旣に佛を奉見と云ば。彌心をつよくして念佛
Z15_0067A17: を申し給へと云べし。若し兼て往生の吿ありと云共。
Z15_0067B01: 智者知識の外に更に餘人に云廣むる事なかれ。樣樣
Z15_0067B02: の功德多しといふとも。萬を略して志す所は。唯最
Z15_0067B03: 後の十念にあり。文に曰。
Z15_0067B04: 種種法門皆解脫  無過念佛往西方
Z15_0067B05: 上盡一形至十念  三念五念佛來迎
Z15_0067B06: 意は極樂世界に生るるは念佛に過たるはなし。一生
Z15_0067B07: 涯退せざるにも。又十念三念五念にも。佛來迎し給
Z15_0067B08: ふ所なりと云り。
Z15_0067B09:   南無阿彌陀佛  十念
Z15_0067B10: 第七に最後の一念によりて往生すべき樣と者。是此
Z15_0067B11: 中の大要なり。先づ此時には。殊に靜かにして。知識
Z15_0067B12: の外に尙尙人を不近付。異なる音を不。五色の絲
Z15_0067B13: を手に取。又印を結んで一心に往生淨土の意になる
Z15_0067B14: べし。佛の相好に非ざるよりは。他の色を見る事なか
Z15_0067B15: れ。佛の法音に非ざるより外には。餘の音を聞する事
Z15_0067B16: なかれと云り。別して臨終正念の意地に安住して。
Z15_0067B17: 西方往生を忘れざれ。さて知識必約束をなせ。寢入

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