浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z15_0067A01: | おはしまさば。御往生は疑ひなしと思し食せと。亦 |
Z15_0067A02: | 知識問て言べし。何事か見えさせ給ふやと。又病者 |
Z15_0067A03: | もありのままに答へよ。若し妄念の由を云ば。知識其 |
Z15_0067A04: | に隨つて敎化せよ。又魔緣の由を云ば。其對治先に |
Z15_0067A05: | 申しつるが如し。又歌うたふ樣なる音。常に聞ゆる |
Z15_0067A06: | と云り。尙尙佛を念じ。能能懺悔をし給へ。其則地 |
Z15_0067A07: | 獄の聲なり。然りといへども。能く彌陀を念じ給は |
Z15_0067A08: | ば。其罪は遁れ給ふべきなりと。經に曰。 |
Z15_0067A09: | 若作五逆罪。得聞六字名。火車自然去。華臺卽來迎 |
Z15_0067A10: | 文。 |
Z15_0067A11: | 文の意は。若し五逆をつくるといへ共。終る時。南無 |
Z15_0067A12: | 阿彌陀佛と云六字を聞事あらば。地獄の迎へ去て。 |
Z15_0067A13: | 極樂の迎可レ來と云り。旣に六字の名を聞てさへ。地 |
Z15_0067A14: | 獄の迎へ去て。極樂の蓮臺來るべしと云り。況や一 |
Z15_0067A15: | 心にして自唱んに。さり共とこそ覺え候へなどと云 |
Z15_0067A16: | へ。亦旣に佛を奉ルレ見と云ば。彌心をつよくして念佛 |
Z15_0067A17: | を申し給へと云べし。若し兼て往生の吿ありと云共。 |
Z15_0067B01: | 智者知識の外に更に餘人に云廣むる事なかれ。樣樣 |
Z15_0067B02: | の功德多しといふとも。萬を略して志す所は。唯最 |
Z15_0067B03: | 後の十念にあり。文に曰。 |
Z15_0067B04: | 種種法門皆解脫 無過念佛往西方 |
Z15_0067B05: | 上盡一形至十念 三念五念佛來迎文 |
Z15_0067B06: | 意は極樂世界に生るるは念佛に過たるはなし。一生 |
Z15_0067B07: | 涯退せざるにも。又十念三念五念にも。佛來迎し給 |
Z15_0067B08: | ふ所なりと云り。 |
Z15_0067B09: | 南無阿彌陀佛 十念 |
Z15_0067B10: | 第七に最後の一念によりて往生すべき樣と者。是此 |
Z15_0067B11: | 中の大要なり。先づ此時には。殊に靜かにして。知識 |
Z15_0067B12: | の外に尙尙人を不二近付一。異なる音を不レレ聞セ。五色の絲 |
Z15_0067B13: | を手に取。又印を結んで一心に往生淨土の意になる |
Z15_0067B14: | べし。佛の相好に非ざるよりは。他の色を見る事なか |
Z15_0067B15: | れ。佛の法音に非ざるより外には。餘の音を聞する事 |
Z15_0067B16: | なかれと云り。別して臨終正念の意地に安住して。 |
Z15_0067B17: | 西方往生を忘れざれ。さて知識必約束をなせ。寢入 |