浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z15_0063A01: | て。正き佛の敎に付て勸めよ。其もしげからず。囂 |
Z15_0063A02: | しからずして機嫌に隨へ。珍しき程に勸めて。信を |
Z15_0063A03: | 發さしめよ。皆經文の意を取なり。又一の文に曰。 |
Z15_0063A04: | 般若理趣分。或は普賢の十大願を說。病人に聞せよと |
Z15_0063A05: | 云り。是は人〓よるべき歟。又病者の作る所の善根を |
Z15_0063A06: | 記し置て。其功德を讀擧讚て聞せよと云り。大方往 |
Z15_0063A07: | 生の本意を遂ん事は。只善知識の力なり。或云。鈍 |
Z15_0063A08: | き刀の物〓切事砥による故なり。重き車の輕く行は |
Z15_0063A09: | あぶらの緣に依て也。心なき金木すら如レ斯と云り。 |
Z15_0063A10: | 況や心あらん人。善知識に逢て。爭でか往生極樂を |
Z15_0063A11: | 遂ざらん哉。されば佛も善知識をば是大因緣なりと |
Z15_0063A12: | 說給へり。 |
Z15_0063A13: | 第四に病者に隨ひ勸むべき樣と者。其人に賢き愚な |
Z15_0063A14: | るあり。又病にも重き輕きあり。故に其に隨て勸む |
Z15_0063A15: | べし。但し病人可レ思。熱からん病に付ても焰らの中 |
Z15_0063A16: | の衆生を思ひやれ。又寒からん病に付ても氷の底の |
Z15_0063A17: | 罪人を思ひなぞらへよ。加レ之いたみ難レ堪人の恨しか |
Z15_0063B01: | らんに付ても。彌惡趣を厭ひ。殊に極樂を願ふべき |
Z15_0063B02: | なり。彼國には永く三途八難の恐を遁れ。生老病死 |
Z15_0063B03: | の苦みなきが故に。依レ之今しばらく纔の病ひをなげ |
Z15_0063B04: | き。努努人を恨むる事なかれ。中にも知識の敎へを |
Z15_0063B05: | 違へざれ。又知識も心有て病者の心に隨て勸むべし。 |
Z15_0063B06: | 其に取て此文には始より智者聖人の事をばいと不レ |
Z15_0063B07: | 申。只愚なる者の爲也。其樣を云ば。兼て彼人の敎へ |
Z15_0063B08: | を一一に承て。其れを違へぬなり。尙し何方に向て。 |
Z15_0063B09: | 手にいかなる印を結び。口に何れの眞言を唱るとも。 |
Z15_0063B10: | 其は心に任せよ。中間につくろひ聲を出して。心を |
Z15_0063B11: | 亂す事なかれ。唯密に金を鳴して。努努餘の人を近 |
Z15_0063B12: | 付る事なかれ。さて旣にと見ん時に云べし。知食た |
Z15_0063B13: | りや否や。今最後臨終の御時なりと。二聲計り耳に |
Z15_0063B14: | 當て聞せよ。聞入たりと見ん後は。餘の言ばを云事な |
Z15_0063B15: | かれ。其時身に障り。手をさへ。はたらかす事。努 |
Z15_0063B16: | 努あるべからず。次に中品中生に生るゝ事を明むべ |
Z15_0063B17: | し。上下は是になぞらへよ。中品の人と申すは。善 |