浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z15_0062A01: | あらば。一人は後に居て勸めよ。心得ざる人餘多有 |
Z15_0062A02: | るは。中中惡き也。設ひ僧なりとも不二心得一。囂しか |
Z15_0062A03: | らんは惡かるべし。若心得たらば俗にてもきらは |
Z15_0062A04: | ず。是殊に精進なるべし。又後にあらん人は。南無 |
Z15_0062A05: | 大聖不動明王と可レ奉レ念。彼御誓は生生世世までも守 |
Z15_0062A06: | らんと宣へるが故なり。さて病者に常に云聞せよ。 |
Z15_0062A07: | 魔緣は必ず佛を念ぜぬ間を伺ふ。謂心亂るる時。又湯 |
Z15_0062A08: | 殿にあるとき或は物を食する時。若は一人ある時。 |
Z15_0062A09: | 又腹の立時。さればかかる時も佛を忘れ給はざれ。 |
Z15_0062A10: | 心を努努亂す事御坐ざれと云べし。又起臥の折折に |
Z15_0062A11: | も今御心亂り給ふべからずと申聞せよ。若病者に魔 |
Z15_0062A12: | 緣障りを成て顯れ見えば。急に有驗の人不動大威德 |
Z15_0062A13: | の法を以て祈せよ。又智者是を緣として。彼魔緣が |
Z15_0062A14: | 出離すべき敎化を成。又法華經などを讀て聞せよと |
Z15_0062A15: | ぞ有人申されける。かくすれば則魔緣去事を得る也。 |
Z15_0062A16: | 魔緣の對治多しといへども。智者の心に讓る。若病者 |
Z15_0062A17: | の所にあやしからん物の氣顯て見えば。中卷の第十 |
Z15_0062B01: | に申しつる樣に鏡を懸て影を見せよ。又左樣の物は |
Z15_0062B02: | 人目をば。たぶらかせども心無影などをば見知ぬも |
Z15_0062B03: | のなり。若魔緣なりと知らば。卽意得て能能對治を |
Z15_0062B04: | なすべし。次臨終の惡相見へば。上卷の第十を引て |
Z15_0062B05: | 見よ。さて祈をもせよ。文に曰。食物と〓物と若は |
Z15_0062B06: | 餘物にても布施にして。神呪等を誦めしめよと。所 |
Z15_0062B07: | 謂轉法輪。召罪。摧罪。佛眼。金輪。寶篋。尊勝。 |
Z15_0062B08: | 光明。彌陀。滅罪。淨三業の眞言等。理趣。禮懺。 |
Z15_0062B09: | 五十三佛名懺法等也。又文に曰。釋迦。彌陀。藥師。 |
Z15_0062B10: | 彌勒。普賢。文殊。地藏。虛空藏。不空羂索。千手。 |
Z15_0062B11: | 十一面。殊に不動明王。是等の法を眞言師を請じて。 |
Z15_0062B12: | 行ぜしめば。魔緣遠く去り罪障消滅して。往生する |
Z15_0062B13: | 事安かるべき故なり。是悉くすべきに非ず。人に隨 |
Z15_0062B14: | ひ所によりて。人にあつらへても祈れ。數多の文の |
Z15_0062B15: | 意なるが故なり。又中卷の第八を引て見よ。病者に |
Z15_0062B16: | は常に菩提心を心に染よと敎ゆべし。又觀經雙卷經小阿彌陀經等 |
Z15_0062B17: | を能先讀明めて心得安く其理り亂がはしからずし |