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Z1510 孝養集 覚鑁 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z15_0062A01: あらば。一人は後に居て勸めよ。心得ざる人餘多有
Z15_0062A02: るは。中中惡き也。設ひ僧なりとも不心得(カマビス)しか
Z15_0062A03: らんは(アシ)かるべし。若心得たらば俗にてもきらは
Z15_0062A04: ず。是殊に精進なるべし。又後にあらん人は。南無
Z15_0062A05: 大聖不動明王と可念。彼御誓は生生世世までも守
Z15_0062A06: らんと宣へるが故なり。さて病者に常に云聞せよ。
Z15_0062A07: 魔緣は必ず佛を念ぜぬ間を伺ふ。謂心亂るる時。又湯
Z15_0062A08: 殿にあるとき或は物を食する時。若は一人ある時。
Z15_0062A09: 又腹の立時。さればかかる時も佛を忘れ給はざれ。
Z15_0062A10: 心を努努亂す事御坐ざれと云べし。又起臥の折折に
Z15_0062A11: も今御心亂り給ふべからずと申聞せよ。若病者に魔
Z15_0062A12: 緣障りを成て顯れ見えば。急に有驗の人不動大威德
Z15_0062A13: の法を以て祈せよ。又智者是を緣として。彼魔緣が
Z15_0062A14: 出離すべき敎化を(ナセ)。又法華經などを讀て聞せよと
Z15_0062A15: ぞ有人申されける。かくすれば則魔緣去事を得る也。
Z15_0062A16: 魔緣の對治多しといへども。智者の心に讓る。若病者
Z15_0062A17: の所にあやしからん物の氣顯て見えば。中卷の第十
Z15_0062B01: に申しつる樣に鏡を懸て影を見せよ。又左樣の物は
Z15_0062B02: 人目をば。たぶらかせども心無影などをば見知ぬも
Z15_0062B03: のなり。若魔緣なりと知らば。卽意得て能能對治を
Z15_0062B04: なすべし。次臨終の惡相見へば。上卷の第十を引て
Z15_0062B05: 見よ。さて祈をもせよ。文に曰。食物と〓物と若は
Z15_0062B06: 餘物にても布施にして。神呪等を誦めしめよと。所
Z15_0062B07: 謂轉法輪。召罪。摧罪。佛眼。金輪。寶篋。尊勝。
Z15_0062B08: 光明。彌陀。滅罪。淨三業の眞言等。理趣。禮懺。
Z15_0062B09: 五十三佛名懺法等也。又文に曰。釋迦。彌陀。藥師。
Z15_0062B10: 彌勒。普賢。文殊。地藏。虛空藏。不空羂索。千手。
Z15_0062B11: 十一面。殊に不動明王。是等の法を眞言師を請じて。
Z15_0062B12: 行ぜしめば。魔緣遠く去り罪障消滅して。往生する
Z15_0062B13: 事安かるべき故なり。是悉くすべきに非ず。人に隨
Z15_0062B14: ひ所によりて。人にあつらへても祈れ。數多の文の
Z15_0062B15: 意なるが故なり。又中卷の第八を引て見よ。病者に
Z15_0062B16: は常に菩提心を心に染よと敎ゆべし。又觀經雙卷經小阿彌陀經
Z15_0062B17: を能先讀明めて心得安く其理り亂がはしからずし

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