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Z1510 孝養集 覚鑁 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z15_0061A01: は五人にても有べき也。是を請じて。兼て有べき樣
Z15_0061A02: を能能契るべし。又知識病者に向ひて云べし。今善
Z15_0061A03: 知識に參る事は。是一世の緣に非ず。定て多劫の契
Z15_0061A04: りなるべし。此本意を受ば。知識等が年來の行業を
Z15_0061A05: ば汝に讓り奉るべし。況や一心を勵まさん事。力の及
Z15_0061A06: 所を限とすべしと言聞せよ。是則彼心をつよくして
Z15_0061A07: 往生の思ひを成しめんが爲なり。其謂れは佛の曰。往
Z15_0061A08: 生の固きに非ずして善知識に遇事の堅き也と。是故
Z15_0061A09: に其知識には。かまへて道心者の意うるはしくして。
Z15_0061A10: 又病者に志し深き人人を用ゆべし。又其可有次第
Z15_0061A11: は。一人は必ず知識を用ひよ。是は病者の面少し南
Z15_0061A12: によりて居て。病者に眼を不放して偏に哀みの心に
Z15_0061A13: 住して。佛法の理りを以て。往生のいさみの心をなさ
Z15_0061A14: しめよ。又病者も此知識をば。旣に觀音の御坐すと思
Z15_0061A15: ひを成すべしと云り。又一人は有驗の人を用ひよ。
Z15_0061A16: 是は病者の東の後ろ少し北により枕に當りて。一二
Z15_0061A17: 尺計のきて居よ。則病者の跡と枕と左右に目を不
Z15_0061B01: して一心に不動明王を念じ奉つて。慈救の呪を滿よ。
Z15_0061B02: 是偏に魔界の障りをあらせしが爲なり。是則病者の
Z15_0061B03: 後に大聖〓王御坐して我を守り給ふと思ふべしと云
Z15_0061B04: り。又一人は念佛者。是は病者の北。少しのきて居
Z15_0061B05: て。智者の敎へのままに。金を心得て鳴し。哀の音を
Z15_0061B06: 和かに出して其聲に付て病者に十念を滿てさせよ。
Z15_0061B07: 此人殊に心あるべき人也と云り。又一人は持經者。
Z15_0061B08: 是は病急ならずば。云所の知識の休まん間代居て。時
Z15_0061B09: 時常よりも閑か成る樣に經を讀。病者の心を澄させ
Z15_0061B10: よと云り。又一人は病者の身にそへて彼是用に隨へ。
Z15_0061B11: 五人の知識のあるべき樣如斯。此外には努努他人よ
Z15_0061B12: る事なかれ。此知識も其間は。殊に勇猛精進にして
Z15_0061B13: 三業をひそめて。聲高くする事有べからず。又此人人
Z15_0061B14: に常に吉き物を供養して。叮嚀にあたれと云り。如
Z15_0061B15: 是可人人を兼て語り侍べるは此時の料なり。但し
Z15_0061B16: 是を悉く調へ置べき事は。可難あら增の事なり。若
Z15_0061B17: 一人あらば病人の前に居て。軈て金を打勸よ。二人

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