浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z15_0060A01: | 此時にあらずんば實の出家をして正き佛弟子と成ん |
Z15_0060A02: | 事は何れの時ぞ哉。如何樣にても戒をば持てよ。其 |
Z15_0060A03: | 功德の無量なる事は戒品にあるべき也。さて病者を |
Z15_0060A04: | 勸めて其心に付て是へは渡せ。其時病者も思べし。 |
Z15_0060A05: | 旣に我三界の火宅を出て。九品の淨土に參ると思成 |
Z15_0060A06: | て。是へ渡つて病者先。手洗ひ。口をすすぎて三世 |
Z15_0060A07: | 十方の諸佛菩薩を悉く拜し奉ると思ひて。八方上下 |
Z15_0060A08: | を拜して。心に念じ口に唱べし。三世の諸佛は出離 |
Z15_0060A09: | 生死の者を守り給ふ。其一一の御誓は成佛得道の因 |
Z15_0060A10: | 緣なり。然に我今生死を厭ひ菩提を願ふ。此願必滿 |
Z15_0060A11: | 給へ。若爾は淨土に生れて還て一切の衆生を安く導 |
Z15_0060A12: | んと。一心に思ひ。又唱へて如レ是奉テレ請後。彼諸佛 |
Z15_0060A13: | の偏に勸め給ふ。阿彌陀如來を。一心にたのみ奉る |
Z15_0060A14: | べし。經に曰。此彌陀を念じ奉れば。六方恒沙の諸 |
Z15_0060A15: | 佛護念し給ふ所なりと云り。旣に一佛の護念を蒙ら |
Z15_0060A16: | んに。何の願か滿ざらん。何に况や六方恆沙の諸佛 |
Z15_0060A17: | の我も我もと守り給はんを哉。此故に一心に彌陀を |
Z15_0060B01: | 念じ。偏に往生淨土の思ひに住すべし。中にも罪重 |
Z15_0060B02: | き者。賴む所は唯彌陀の悲願にあり。故に文に曰。 |
Z15_0060B03: | 若有重業障。無生淨土因。乘彌陀願力。必生安樂國文 |
Z15_0060B04: | 故に今靜かに成て偏に念佛を申すべき也。中卷の十 |
Z15_0060B05: | 一に申しつるが如し。六萬遍も四萬遍も。身に隨て |
Z15_0060B06: | 申すべきなり。其謂は佛の曰。若善男子善女人有て。 |
Z15_0060B07: | 阿彌陀佛の名を持て。一日若は二日。若は三日。若 |
Z15_0060B08: | は四日。若は五日。若は六日。若は七日。心を一に |
Z15_0060B09: | して彌陀を念ぜば。其人の命終らん時。阿彌陀と聖 |
Z15_0060B10: | 衆と共に。其所に御坐て。此人の終らんとき。心顚 |
Z15_0060B11: | 倒せずして。則阿彌陀佛の極樂世界に往生する事を |
Z15_0060B12: | うべしと云り。是朝夕人の讀經に非ず哉。平生尙勵 |
Z15_0060B13: | むべし。況や無常の使と云たる病ひを。うけてなど |
Z15_0060B14: | か一日二日勵まざらん耶。文に曰。 |
Z15_0060B15: | 無量壽國。雖果報勝。臨終之時。懺悔念佛。業障便 |
Z15_0060B16: | 轉。卽得往生矣 |
Z15_0060B17: | 第三に善知識の有べき樣と者。其知識の數は三人若 |