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Z1510 孝養集 覚鑁 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z15_0060A01: 此時にあらずんば實の出家をして正き佛弟子と成ん
Z15_0060A02: 事は何れの時ぞ哉。如何樣にても戒をば持てよ。其
Z15_0060A03: 功德の無量なる事は戒品にあるべき也。さて病者を
Z15_0060A04: 勸めて其心に付て是へは渡せ。其時病者も思べし。
Z15_0060A05: 旣に我三界の火宅を出て。九品の淨土に參ると思成
Z15_0060A06: て。是へ渡つて病者先。手洗ひ。口をすすぎて三世
Z15_0060A07: 十方の諸佛菩薩を悉く拜し奉ると思ひて。八方上下
Z15_0060A08: を拜して。心に念じ口に唱べし。三世の諸佛は出離
Z15_0060A09: 生死の者を守り給ふ。其一一の御誓は成佛得道の因
Z15_0060A10: 緣なり。然に我今生死を厭ひ菩提を願ふ。此願必滿
Z15_0060A11: 給へ。若爾は淨土に生れて還て一切の衆生を安く導
Z15_0060A12: んと。一心に思ひ。又唱へて如是奉請後。彼諸佛
Z15_0060A13: の偏に勸め給ふ。阿彌陀如來を。一心にたのみ奉る
Z15_0060A14: べし。經に曰。此彌陀を念じ奉れば。六方恒沙の諸
Z15_0060A15: 佛護念し給ふ所なりと云り。旣に一佛の護念を蒙ら
Z15_0060A16: んに。何の願か滿ざらん。何に况や六方恆沙の諸佛
Z15_0060A17: の我も我もと守り給はんを哉。此故に一心に彌陀を
Z15_0060B01: 念じ。偏に往生淨土の思ひに住すべし。中にも罪重
Z15_0060B02: き者。賴む所は唯彌陀の悲願にあり。故に文に曰。
Z15_0060B03: 若有重業障。無生淨土因。乘彌陀願力。必生安樂國
Z15_0060B04: 故に今靜かに成て偏に念佛を申すべき也。中卷の十
Z15_0060B05: 一に申しつるが如し。六萬遍も四萬遍も。身に隨て
Z15_0060B06: 申すべきなり。其謂は佛の曰。若善男子善女人有て。
Z15_0060B07: 阿彌陀佛の(ミナ)を持て。一日若は二日。若は三日。若
Z15_0060B08: は四日。若は五日。若は六日。若は七日。心を一に
Z15_0060B09: して彌陀を念ぜば。其人の命終らん時。阿彌陀と聖
Z15_0060B10: 衆と共に。其所に御坐て。此人の終らんとき。心顚
Z15_0060B11: 倒せずして。則阿彌陀佛の極樂世界に往生する事を
Z15_0060B12: うべしと云り。是朝夕人の讀經に非ず哉。平生尙勵
Z15_0060B13: むべし。況や無常の使と云たる病ひを。うけてなど
Z15_0060B14: か一日二日勵まざらん耶。文に曰。
Z15_0060B15: 無量壽國。雖果報勝。臨終之時。懺悔念佛。業障便
Z15_0060B16: 轉。卽得往生
Z15_0060B17: 第三に善知識の有べき樣と者。其知識の數は三人若

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