浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z15_0056A01: | 孝養集卷下 |
Z15_0056A02: | |
Z15_0056A03: | 臨終正念往生極樂の意を明すと者。是貴きも賤きも |
Z15_0056A04: | さすがに祈所なり。仍一心實に靜まらば三寶納受し |
Z15_0056A05: | 給はん。三寶納受し給はゞ。又十念必成就す。成就 |
Z15_0056A06: | すれば九品蓮臺疑ひなし。是故に唯往生極樂は臨終 |
Z15_0056A07: | 正念にまかせたりと云り。故に臨終のあるべき樣を |
Z15_0056A08: | 申したる文共十餘卷を集む。其中に是は人に隨て要 |
Z15_0056A09: | をとり。亦十に分て細かに明すなり。只人界の本意 |
Z15_0056A10: | は此卷にあるべし。旣に難レ受人身も生るゝ朝たあれ |
Z15_0056A11: | ば。亦限りある臨終の暮べも如何んかなからん。去 |
Z15_0056A12: | は是一生の本意最後の大要也。 |
Z15_0056A13: | 第一 兼可レ有二臨終用意一樣 |
Z15_0056A14: | 第二 可レ嚴二道場一樣 |
Z15_0056A15: | 第三 可レ有二善知識一樣 |
Z15_0056A16: | 第四 順二病人一可レ勸樣 |
Z15_0056A17: | 第五 不レ可レ令〓二病人苦樣 |
Z15_0056B01: | 第六 兼日可レ習二十念一樣 |
Z15_0056B02: | 第七 正依二最後一念一可レ爲二往生一樣 |
Z15_0056B03: | 第八 佛聖衆來迎樣 |
Z15_0056B04: | 第九 生二淨土一受レ樂樣 |
Z15_0056B05: | 第十 生二淨土一歸二娑婆一有レ緣人諸衆生ヲ導二淨土ニ一樣 |
Z15_0056B06: | 若し俄の事あらば。第七を引て可レ見。病人には第 |
Z15_0056B07: | 八を讀て聞せよ。 |
Z15_0056B08: | 第一に兼て臨終の用意可レ有樣と者。夫れ生ある者は |
Z15_0056B09: | 設ひ命長しといふ共。必衰へ年老事是世間常の習な |
Z15_0056B10: | り。亦年老て後は病出來。其時に是はあるべき次第な |
Z15_0056B11: | り。但其命を左右なく捨る事なかれ。人によりて且は |
Z15_0056B12: | 三寶にも祈り。且は醫師にも逢。療治を可レ加。是徒ら |
Z15_0056B13: | に命を惜むに非ず。世間相違の罪過なくして。今一 |
Z15_0056B14: | 日も命を延て。念佛の功を積て。臨終の時心安から |
Z15_0056B15: | ん爲なり。次に生死の無常には。耆婆扁鵲が術も。 |
Z15_0056B16: | 藥りも叶ふべからず。去は限ある命をば果報に任て。 |
Z15_0056B17: | 我と努努惜事無れ。其故は臨終の時。三の愛心起る |