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Z1510 孝養集 覚鑁 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z15_0055A01: せし事。或は重き荷を負て打せめられし事不盡。
Z15_0055A02: 凡人間の八苦。天上の五衰。都て六道を廻し事。算
Z15_0055A03: へも盡すべからざる事を思出て。身の毛よだち。悲
Z15_0055A04: の淚に沉みて。日比の憍慢邪見嫉妬の諸の惡念をひ
Z15_0055A05: るがへして。我心を敎へて云。心よ心昨日迄汝に隨
Z15_0055A06: ひき。今日より我に隨へと仰せられて。長く佛道に
Z15_0055A07: 入給ふと說給へり。摩耶經取
Z15_0055A08: さても十五の段段經論の文に付て抄する所如是。時
Z15_0055A09: に彼人に問云。抑心を一にして念佛せよと勸め給ふ
Z15_0055A10: に十五の心の侍るは如何。彼人答て云。返返申さず
Z15_0055A11: や。十五は別別なりと云ども。偏に勸る理は念佛の
Z15_0055A12: 一門なりと云事ぞ。其故は萬の佛道は皆是文殊の敎
Z15_0055A13: へなり。而に法照禪師竹林寺の記に云。五臺山の大
Z15_0055A14: 聖竹林寺の大講堂の內にして。普賢文殊西東に對坐
Z15_0055A15: して。無數の眷屬の爲に妙法を說給ひし時。法照禪
Z15_0055A16: 師忽に寶座の前に跪き。問奉て云。未來惡世の造惡
Z15_0055A17: の凡夫は。いかなる法を修行してか。永く三界を出
Z15_0055B01: て。淨土に生るる事を得んとあれば。大聖文殊說て
Z15_0055B02: 曰。淨土に往生する(ハカリ)ごとは彌陀の名號にしくはな
Z15_0055B03: し。頓證菩提の道。只稱名の一門なりといへり。是
Z15_0055B04: を以ての故に。此卷に實の道を顯すと云所也。故に
Z15_0055B05: 一心に稱念して諸の衆生と共に。無上菩提を得よと
Z15_0055B06: 勸る所也と。但文言の狼藉を不顧。理趣の存沒を
Z15_0055B07: 辨。愚懷に任て翰墨をほどこす所也。後賢の嘲を
Z15_0055B08: 耻ざるに非ず。偏に孝養の隨喜に此を忘るる所也。
Z15_0055B09:   南無阿彌陀佛  十念すすむ
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Z15_0055B12:  
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Z15_0055B14:  
Z15_0055B15:  
Z15_0055B16:  
Z15_0055B17: 孝養集卷中

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