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Z1510 孝養集 覚鑁 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z15_0043A01: こそ光ならずと云所もなし。光則玉。玉則光。正しく
Z15_0043A02: 一體也。佛の我一念の心を照し給も亦如是。念念如
Z15_0043A03: 是。常に照して時として止む事なし。此光の我心に滿
Z15_0043A04: るをさして佛とは申也。此光は西方の修因感果の阿
Z15_0043A05: 彌陀佛の光也。されば西方の佛の光の我身の中に入
Z15_0043A06: 給ふを己身の如來とは申也。己身の佛といふは。西
Z15_0043A07: 方の阿彌陀を離れて本より有りと申すは惡く意得て
Z15_0043A08: 申也。又本有の佛と申も修得を離れて求べからざれ
Z15_0043A09: ば。我心旣是已證の遮那也と知を。實の念佛とは申す
Z15_0043A10: 也。又菩提心を發すとも申すべし。能能知ぬれば。
Z15_0043A11: 必極樂に生るゝなり。いかなる衆生をも佛の光は如
Z15_0043A12: 是照し給へども。我心に照ると不知限は三界を不
Z15_0043A13: 出。照し給ふと知れは始て。佛界に入なり。如此常に
Z15_0043A14: 心をかくべしと云り。是只大に信ある人には必佛見
Z15_0043A15: え給ふべしとぞ申したる。其光を見ん事は垣壁のす
Z15_0043A16: きより日の光を目に當て。見習見習して其あかりよ
Z15_0043A17: り佛の相好を見奉る思を可成といへり。但如何なれ
Z15_0043B01: ば此觀念を成に諸の罪滅して頓に佛に成と云ば。是
Z15_0043B02: 實の佛を念じ奉る故なり。凡そ佛に三身いませ共。
Z15_0043B03: 法身を實の佛と申なり。所謂此眉間に中道を顯せば。
Z15_0043B04: 第一義諦なり。是を法身とも申し亦は實相とも申す
Z15_0043B05: なり。されば經に曰。
Z15_0043B06: 若欲懺悔者。端坐思實相
Z15_0043B07: 實に阿彌陀佛。昔し我等が如く重罪の凡夫にていま
Z15_0043B08: せし時。塔の中の木像の佛の白毫の相を禮して罪を
Z15_0043B09: 滅して。今阿彌陀佛に成り給へり。何を以知となら
Z15_0043B10: ば。觀佛三昧經に曰。
Z15_0043B11: 過去空王佛 眉間白毫相 彌陀尊禮敬 滅罪今得佛
Z15_0043B12: 此故に中にも至要なりと申つるは。我等が本尊の佛
Z15_0043B13: と成給へる行なるが故に。但し此觀念は能能用意あ
Z15_0043B14: るべし。其故は不淨憍慢の心を以て觀ずれば。魔緣
Z15_0043B15: 佛のまねをして我身心をたぶらかすと云り。其を見
Z15_0043B16: 分る樣は。魔緣の光は左に廻る。佛の光は右に廻る。
Z15_0043B17: 又魔緣は目をふさぎて見れば不。佛は見え給ふ。

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