浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z15_0042A01: | くして。佛道を願べきにこそあれ。旣に華開ぬれば |
Z15_0042A02: | 自然に蝶來て遊び。水精みがきて淨ければ。月日の |
Z15_0042A03: | 光りうつる事安し。實に心地の水淨く澄ぬれば。佛 |
Z15_0042A04: | 性の月影をやどす。妄業の風に波起ぬれば。引攝の |
Z15_0042A05: | 舟かぢの折て空しと。是を心得給はざらん耶。 |
Z15_0042A06: | 第十に阿彌陀佛の白毫を觀ずと者。是此中の至要な |
Z15_0042A07: | り。行者心をとどむべし。彼眉間の白毫と申すは眉 |
Z15_0042A08: | の間の白毛なり。觀ずと者其を思ひやる心なり。有 |
Z15_0042A09: | 所に云く。正く西方に向て。身をととのへ心をしづ |
Z15_0042A10: | め。眼を閉て手をささゑて。思を西方にかくべし。 |
Z15_0042A11: | 先づ瑠璃の地を思へば。譬へば。はるかなる海の面 |
Z15_0042A12: | に風しづまり波たたず淨く澄るが如くに思て。其紺 |
Z15_0042A13: | 瑠璃の地の上に大寶蓮華玉の座ありと可レ思。其座の |
Z15_0042A14: | 上に百寶の色を交えたる微妙の瓔珞を垂たり。其座 |
Z15_0042A15: | の上に阿彌陀如來紫磨黃金の色にて坐し給へり。身 |
Z15_0042A16: | 量は眼の及んを限りとすべし。若大身を觀ずるに堪 |
Z15_0042A17: | ざらん者は。丈六の身を思へ。三十二相八十種好は |
Z15_0042B01: | 一一に觀じ難し。只微妙の相好を具し。威儀尊重に |
Z15_0042B02: | して。世間に譬へなし。あらあら其體相を觀じて。 |
Z15_0042B03: | 殊に眉間の白毫に心をかけて。此一の相を觀ぜば。 |
Z15_0042B04: | 八萬四千の相好も皆見つべしと云が故に。二の眉の |
Z15_0042B05: | 間に中道の毫相ありと觀ずべし。其白毫右に廻り宛 |
Z15_0042B06: | 轉として秋の月の雲を出るが如し。彼光明普く十方 |
Z15_0042B07: | 世界の念佛者を照し給ふと一心に觀ずべき也。我も |
Z15_0042B08: | 今其中の念佛の衆生なり。深く生死を厭て障る所の |
Z15_0042B09: | 妄念を止て。心を澄し。彼相を觀じて罪を滅せんと |
Z15_0042B10: | 一心に佛を念ずれば。佛の光明我を照し給ふ。光明 |
Z15_0042B11: | 我を照せば。其罪障消ずと云事なし。罪ほろびぬれ |
Z15_0042B12: | ば引接を垂給ふ。文に曰。 |
Z15_0042B13: | 光明遍照。十方世界。念佛衆生。攝取不捨矣 |
Z15_0042B14: | 此文に付て照すと申は月日の光の物を照すには。只 |
Z15_0042B15: | 上を照して底をば照さず。佛の光は萬物に遍じて同 |
Z15_0042B16: | 體に冥合して照し給ふ。月日の光の水精の珠を照に |
Z15_0042B17: | ぞ譬ふべき。玉に遍じて是光りあり。此玉の上に爰 |