浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z15_0039A01: | し罪障其色なければ有も知す失るも見えずと云共。 |
Z15_0039A02: | 懺悔すれば其罪滅せずと云事なし。其に取て懺悔に |
Z15_0039A03: | 淺深あるべし。若は血の淚をも流し身より汗を出し。 |
Z15_0039A04: | 乃至身の毛よだつ程に耻悔しめば。其に隨て罪も消 |
Z15_0039A05: | 失ずと云事なし。譬へば冬は岡山にふり積む霜雪な |
Z15_0039A06: | れども。年打越四方の山邊に霞引のどけき日に照さ |
Z15_0039A07: | れ。風和かに吹て雨降ば。さて彼霜雪ありし物とも |
Z15_0039A08: | 見えず成て。萬の木草のめぐみきざすが如く。諸の |
Z15_0039A09: | 罪障彼霜雪の如くに消失て。草木のめぐむ如く。我 |
Z15_0039A10: | 身の佛性もめぐみきざすべし。其故は悲の淚落る時 |
Z15_0039A11: | 罪悉きえる打節は。我身の中の佛顯れ給ふと經には |
Z15_0039A12: | 說侍れば也。されば普賢經に曰。 |
Z15_0039A13: | 衆罪如霜露。慧日能消除。是故應至心。懺悔六情根文 |
Z15_0039A14: | 但し此等の懺悔に堪ざらん人は。只一心に彌陀佛を |
Z15_0039A15: | 念じ奉るべし。一念の間に能く八十億劫の生死の罪 |
Z15_0039A16: | を滅すと云り。或處に云。 |
Z15_0039A17: | 一念彌陀佛。卽滅無量罪。現受無比樂。後生淸淨土文 |
Z15_0039B01: | 南無阿彌陀佛 十念 |
Z15_0039B02: | 第九に心を靜むる樣と者。靜なる所を搆へての上の |
Z15_0039B03: | 事なり。念佛讀經をもするに。よしなき事のをぼへ |
Z15_0039B04: | 思はるる是を名付て。佛道を障る妄念妄執とも云。 |
Z15_0039B05: | 又妄心妄想とも申す也。經に曰人一日一夜を經るに。 |
Z15_0039B06: | 八億四千の念あり。此皆三途の業なりと云り。實に |
Z15_0039B07: | 生死盡せず。惡道の絕がたきは。只是妄念妄執の成 |
Z15_0039B08: | す所なり。彼妄念さまざまなる故に隨て六道の形も |
Z15_0039B09: | まちまち也。其の罪の重き輕きあるが故に。三惡道 |
Z15_0039B10: | の上中下あり。此故に能く妄念を止べし。如何が止べ |
Z15_0039B11: | きとならば。常に無常の理に心を染て。然も我身の |
Z15_0039B12: | 不淨等を觀ずべし。其相上卷の第八の段に申しつる |
Z15_0039B13: | が如し。是初心の人の煩惱を斷つ計こと。心をしづか |
Z15_0039B14: | にする藥なり。如レ此惡き心を止て次に我息の出入を |
Z15_0039B15: | かぞえて。一つより十に至る迄如レ此常に算れば必ず |
Z15_0039B16: | 心はしづまる也。さて常に息に心をゆるさざれ。其 |
Z15_0039B17: | 故は息に心をゆるす時は。人驚き。さはぐによりて |