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Z1510 孝養集 覚鑁 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z15_0038A01: 彼中にして其間造りける罪を耶。無罪は如何か三界
Z15_0038A02: を今迄廻べきや。久造所と云者。是なり。殊に女人
Z15_0038A03: は其罪淺からず。然といへ共能懺悔すれば。罪とま
Z15_0038A04: らず。譬へば百千年刈積たる萱に塵計の火をつくれ
Z15_0038A05: ば。其萱不殘が如し。經の此故に早く罪を懺悔すべ
Z15_0038A06: し其方法多しと申つるは。彼念佛讀經をもしつつ思
Z15_0038A07: ふべし。我無量劫より以來諸の造る罪數を不知。幸
Z15_0038A08: に今佛法に遇り。隨て此罪を佛も歎き給ふ故に。願
Z15_0038A09: くは。此諸の罪ほろぼしてたべと。心にも思ひ。口
Z15_0038A10: にも唱へ。恭敬禮拜をもすべき也。故に經に曰。
Z15_0038A11: 我昔所造諸惡業   皆由無始貪瞋癡
Z15_0038A12: 從身語意之所生   一切我今皆懺悔
Z15_0038A13: 此意に思ふて其障なくして。一切衆生を導かん念
Z15_0038A14: 力を致して。常に六根の罪を懺悔すべき也。懺悔と
Z15_0038A15: 者。其罪を悔耻よとなり。佛の御覽する所をば指置。
Z15_0038A16: 諸天善神迄も我等がなす所の行を見給ふ。譬は明か
Z15_0038A17: なる鏡に向ひて影をうつして見るが如し。然に佛の
Z15_0038B01: 曰。罪をかくせば彌增長す。其罪を耻くやしめば自
Z15_0038B02: ら消滅すと說給へり。大經取意故に佛像又は遺身の舍利に
Z15_0038B03: も向ひ奉つて。昔の罪をも悔悲み。若は貴き聖人に
Z15_0038B04: も早く罪を申しあらはして。急ぎ可懺悔なり。殊に
Z15_0038B05: 普賢經に五種の懺悔を說り。其心を粗可申。一には
Z15_0038B06: 心を直くして三寶を誹謗せず。出家する人を留めず。
Z15_0038B07: 諸の聖者の爲に惡き事を不成。持戒の人若は持經者
Z15_0038B08: に常に供養を述よ。亦法門の道理を能能心得べし。
Z15_0038B09: 二には常に父母に孝養し。師長に奉仕すべし。三に
Z15_0038B10: は。我力の及ぶ衆生に於て憐の心を致して。道理を以
Z15_0038B11: て國ををさめ。人民百姓の歎を止て悅びを與ふべし。
Z15_0038B12: 四には六齋日に當ん時は我國の境の內の殺生を禁新
Z15_0038B13: すべし。六齋日と者。月の八日十四日十五日廿三日
Z15_0038B14: 廿九日三十日なり。五には佛法の道理に任せて。能能
Z15_0038B15: 信じ佛を常に忘るべからずと云り。是略して申す所
Z15_0038B16: なり。此一一の懺悔に其罪の留らざる事。經文の如
Z15_0038B17: し。志しあらん人は。彼經を讀みて聞し食べし。但

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