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Z1510 孝養集 覚鑁 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z15_0037A01: めずして。人の信施をも受ず。器量の堪に隨て。佛
Z15_0037A02: に香花を奉て。若は坐禪し。若は經を讀。或は念佛
Z15_0037A03: の功を積で。往生を遂んには不如。其故は女人の爲
Z15_0037A04: に速かなる行は。禪門と淨土門とに過たるはなし。
Z15_0037A05: 法照禪師の云。
Z15_0037A06: 萬行之中爲急用   迅速無過淨土門
Z15_0037A07: 不但本師金口說   十方諸佛共傳給
Z15_0037A08: さても行の目出度ことを云ば。此世界の一日の行は
Z15_0037A09: 極樂の百日の行にも勝れたりと說給へり。是は彌勒問經説也
Z15_0037A10: 或人淚を流して申けるは。其人の行を作んを。如何樣
Z15_0037A11: にもそしる事更にすべからず。其故は三世の諸佛の
Z15_0037A12: 一一に佛に成給ひし引接に。もれけるは。人の行を誹
Z15_0037A13: 謗しける過なり。是をくやまずして如來が重て其咎
Z15_0037A14: をなさん耶。又彌陀の四十八願の中にも五逆罪と誹
Z15_0037A15: 謗の者をば除くと仰らる。其禁制の文十を破ん人は。
Z15_0037A16: 彌陀の引接を憑むにあらず。或は曰。惡五逆を犯ず
Z15_0037A17: とも。人をそしり法を謗ずる事なかれ。若盜をし人を
Z15_0037B01: 殺すは。自ら一旦の益もあり。法をそしり人を謗ずる
Z15_0037B02: は。遂に何の益かあらんと。取意實に君に仕るは名利
Z15_0037B03: を求る故に念佛を唱へ經を讀。坐禪をするは。成佛を
Z15_0037B04: 期する所なり。然に云何が惡き詞を出して大事の往
Z15_0037B05: 生を障ん耶。行基菩薩の誡めのごとくに。口の虎は
Z15_0037B06: 身を害するが故に。早誹謗を可愼。加之大論に曰。
Z15_0037B07: 自法愛樂故。毀呰他人法。雖持戒行人。不免地獄苦云云
Z15_0037B08: 第八に罪を滅し失ふと者。夫れ罪を造らずんば。地
Z15_0037B09: 獄を恐るべからず。或云。惡業は是大菩提の障り也
Z15_0037B10: と。久しく造る所の罪を懺悔すべし。若懺悔せずんば
Z15_0037B11: 佛道に礙りありと云り。其懺悔に數多ありと云ども。
Z15_0037B12: 人に依て宜しきに隨べき也。罪は又今生計造るのみ
Z15_0037B13: に非ず。經に云く。此六道の中に一劫が間。生れ死し
Z15_0037B14: 生れ死せし事の其數を云ば。三千世界の草木を取て。
Z15_0037B15: 細くこまかに切て。是を以て一劫の中の父母を(カゾフル)
Z15_0037B16: 尙したらず。其間飮所の乳は大海の水にも過たりと
Z15_0037B17: いへり。一劫すら尙然なり。何況や無量劫をや。又

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