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Z1510 孝養集 覚鑁 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z15_0036A01: に止と觀と者。生死を厭ひ菩提を求る意なり。六度の
Z15_0036A02: 名字計粗如此。但し申つるが如く菩提心を發さん人
Z15_0036A03: は。必智者の貴とからんを尋求て其敎に隨べき也。構
Z15_0036A04: へて徒に月日を不。小智邪見の人には近付隨
Z15_0036A05: ふべからず。喩ば貧き人の心惡は。人の用るにも不
Z15_0036A06: 叶。富める人の心よきは萬事を叶に似り。小智邪見の
Z15_0036A07: 人は他に敎れども我知たる事計をよきと思て。人の
Z15_0036A08: 機根のまちまち成には隨ず。又人の習好事をも。惡
Z15_0036A09: くそしりて。人の心を亂すなり。其亂るる樣は。或
Z15_0036A10: はかれは各別の事。又徒ら事也と云ふなり。或は未
Z15_0036A11: 聞及次第なり。なんどと事に觸て人を云掠。己はよ
Z15_0036A12: くも不明して不審をなさしむる也。若は功德の事を
Z15_0036A13: も人の心の及ばぬ樣に事事しくいひなして。退屈の
Z15_0036A14: 心を令發なり。亦智惠ある人の貴きは。心廣くして
Z15_0036A15: 萬に心得たれば。人の心に隨て心得安き樣に法門の
Z15_0036A16: 事をもいへば。明に覺て佛道をも願ふ也。譬を以て
Z15_0036A17: 覺り得れば。一つ以て萬事を知が如し。されば經に
Z15_0036B01: 曰。若人求佛慧。常隨多聞人。智者にしたがふは。
Z15_0036B02: 後世のみに非ず。今世迄もいみじかるべき也。善人
Z15_0036B03: にかたらへば何事もよし。譬ば形うるはしき人は鏡
Z15_0036B04: にうつる影もうるはしく。亦源濁りぬれば。流も濁
Z15_0036B05: るが如し。佛道には。只始より終り迄。善智識の吉
Z15_0036B06: 智者にちかづかずしては不叶。是故に法華經に曰。
Z15_0036B07: 捨惡知識。親近善友
Z15_0036B08: されば返返惡き知識には近付べからず。其惡き知識
Z15_0036B09: と者。親しき疎きをいはず。嬉しきつらきによらず。
Z15_0036B10: 生死のきづなとなる。是偏に邪見に非ず。彼に隨は
Z15_0036B11: ば互に善緣を失べきが故なりと云り。されば後世を
Z15_0036B12: 願ん者は人に知れず人をも知ず。我人を知ざれば嬉
Z15_0036B13: きもなく。つらきもなし。人我を知ざればほめらる
Z15_0036B14: る事もなく。そしらるる事もなしといへり。經曰。
Z15_0036B15: 流轉三界中。恩愛不能斷。奇恩入無爲。眞實執恩者
Z15_0036B16: 但し上根上智の人をば指置。其外の中下根の人竝女
Z15_0036B17: 人なんどは。心閑に居て。病をつつしみ。身を苦し

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