浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z15_0036A01: | に止と觀と者。生死を厭ひ菩提を求る意なり。六度の |
Z15_0036A02: | 名字計粗如レ此。但し申つるが如く菩提心を發さん人 |
Z15_0036A03: | は。必智者の貴とからんを尋求て其敎に隨べき也。構 |
Z15_0036A04: | へて徒に月日を不レ可レ過ス。小智邪見の人には近付隨 |
Z15_0036A05: | ふべからず。喩ば貧き人の心惡は。人の用るにも不レ |
Z15_0036A06: | 叶。富める人の心よきは萬事を叶に似り。小智邪見の |
Z15_0036A07: | 人は他に敎れども我知たる事計をよきと思て。人の |
Z15_0036A08: | 機根のまちまち成には隨ず。又人の習好事をも。惡 |
Z15_0036A09: | くそしりて。人の心を亂すなり。其亂るる樣は。或 |
Z15_0036A10: | はかれは各別の事。又徒ら事也と云ふなり。或は未タ二 |
Z15_0036A11: | 聞及次第なり。なんどと事に觸て人を云掠。己はよ |
Z15_0036A12: | くも不レ明して不審をなさしむる也。若は功德の事を |
Z15_0036A13: | も人の心の及ばぬ樣に事事しくいひなして。退屈の |
Z15_0036A14: | 心を令レ發なり。亦智惠ある人の貴きは。心廣くして |
Z15_0036A15: | 萬に心得たれば。人の心に隨て心得安き樣に法門の |
Z15_0036A16: | 事をもいへば。明に覺て佛道をも願ふ也。譬を以て |
Z15_0036A17: | 覺り得れば。一つ以て萬事を知が如し。されば經に |
Z15_0036B01: | 曰。若人求佛慧。常隨多聞人。文智者にしたがふは。 |
Z15_0036B02: | 後世のみに非ず。今世迄もいみじかるべき也。善人 |
Z15_0036B03: | にかたらへば何事もよし。譬ば形うるはしき人は鏡 |
Z15_0036B04: | にうつる影もうるはしく。亦源濁りぬれば。流も濁 |
Z15_0036B05: | るが如し。佛道には。只始より終り迄。善智識の吉 |
Z15_0036B06: | 智者にちかづかずしては不レ叶。是故に法華經に曰。 |
Z15_0036B07: | 捨惡知識。親近善友矣 |
Z15_0036B08: | されば返返惡き知識には近付べからず。其惡き知識 |
Z15_0036B09: | と者。親しき疎きをいはず。嬉しきつらきによらず。 |
Z15_0036B10: | 生死のきづなとなる。是偏に邪見に非ず。彼に隨は |
Z15_0036B11: | ば互に善緣を失べきが故なりと云り。されば後世を |
Z15_0036B12: | 願ん者は人に知れず人をも知ず。我人を知ざれば嬉 |
Z15_0036B13: | きもなく。つらきもなし。人我を知ざればほめらる |
Z15_0036B14: | る事もなく。そしらるる事もなしといへり。經曰。 |
Z15_0036B15: | 流轉三界中。恩愛不能斷。奇恩入無爲。眞實執恩者矣 |
Z15_0036B16: | 但し上根上智の人をば指置。其外の中下根の人竝女 |
Z15_0036B17: | 人なんどは。心閑に居て。病をつつしみ。身を苦し |