浄土宗全書を検索する
AND検索:複数の検索語をスペースで区切って入力すると、前後2行中にそれらを全て含む箇所を検索します。
巻_頁段行 | 本文 |
---|---|
Z15_0033A01: | 有情輪廻生六道 猶如車輪無始終 |
Z15_0033A02: | 或爲父母爲男女 生生世世互有恩文 |
Z15_0033A03: | 佛は加樣に仰られたり。實に彼等が難レ堪苦を受て賴 |
Z15_0033A04: | む方とては親有ば子あればなんと歎かん所に。たの |
Z15_0033A05: | む甲斐なく。地獄に落しなば。彼が爲にも情なく。 |
Z15_0033A06: | 亦我身の爲にも益なし。剩へ殺し。或は食し。又は |
Z15_0033A07: | 惱し苦しむる事あるは。あらうたてき次第なり。さ |
Z15_0033A08: | れば道心をも發し菩提心をも發さばやと思へ共。よ |
Z15_0033A09: | しなき世路にほだされて靜なる暇もなし。朝には夜 |
Z15_0033A10: | をこめて急ぎ。夕には星と共にいとなむ程に。罪は |
Z15_0033A11: | 彌重く成て世を厭ふ心はなし。神に祈り佛に申て浮 |
Z15_0033A12: | 世を厭ふ身と成べき心を發さばやと思ひ侍るべき |
Z15_0033A13: | に。さも非ず亦何なる人なれば。昔菩提心を發し。 |
Z15_0033A14: | 難行苦行して今佛菩薩といはれて我等を勸給ふに。 |
Z15_0033A15: | 我等いかなれば諸佛の敎に隨はずして。亦終に惡道 |
Z15_0033A16: | に落んとするや。已に難レ値彌陀の悲願に遇奉て。何 |
Z15_0033A17: | ぞ菩提心を發さゞらん。一念も此心を發しつれば。永 |
Z15_0033B01: | く惡道に不レ歸。生死の闇晴て菩提の曉に至るべし。 |
Z15_0033B02: | 菩提心を發す功德は。百千の塔を立て三千界に寶を |
Z15_0033B03: | 充滿て。佛に供養し奉るにも勝れたりと。是偏に寶 |
Z15_0033B04: | のをろか成には非ず。罪には五逆を極めとし。功德 |
Z15_0033B05: | には菩提心を勝れたりとす。一度五逆を造れば。無 |
Z15_0033B06: | 間地獄にをち。一念菩提心を發したらん者は。極樂 |
Z15_0033B07: | 淨土に生るべしと云事を。是只申に非ず。文に曰。 |
Z15_0033B08: | 一念發起菩提心 勝於造立百千塔 |
Z15_0033B09: | 寶塔破壞成微塵 菩提心種成佛道矣 |
Z15_0033B10: | 第六に佛の制戒を可トレ持者。夫れ佛道を願はんには是 |
Z15_0033B11: | 必あるべき事也。但し戒もしなじなに侍るなれ共。梵 |
Z15_0033B12: | 網經の戒品の意を申べきなり。先戒の初には父母に |
Z15_0033B13: | 孝養し。師長に仕へ。三寶を供養し奉るべしと云り。 |
Z15_0033B14: | 其十戒の意を略して申さば。一には何にても生ある |
Z15_0033B15: | ものを不ルレ可レ毀こと。二には何にても盜すべからざる |
Z15_0033B16: | 事。三には何に付ても婬欲を行ずべからず。四には |
Z15_0033B17: | 何事に付ても空事を不レ可レ云事。五には酒をうり亦の |