浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z15_0032A01: | んとのたまへり。殊に女人は彌陀の悲願を憑奉て往 |
Z15_0032A02: | 生を遂べきなり。其故は悲花經に曰。昔此世界を散 |
Z15_0032A03: | 提蘭國と名く。其時に國王御坐き。御名をば無上念 |
Z15_0032A04: | 王と申き。彼王法藏佛に逢奉て誓を立て曰。我佛に |
Z15_0032A05: | 成たらんに。十方世界の女人我名を聞て菩提心を發 |
Z15_0032A06: | して念佛せば。女身を轉じて往生せしめんと宣へり。 |
Z15_0032A07: | 然るに彼無上念王と申は今の阿彌陀佛なり。爰に知 |
Z15_0032A08: | ぬ。發心發願偏に此世界にましますをや。我等一界 |
Z15_0032A09: | に生を受し間に。或は父母となり。或は夫妻となり。 |
Z15_0032A10: | 或は師長と成。或は同行と成。或は親と成。子とな |
Z15_0032A11: | り。生生世世互に恩ありき。しづかに昔の緣を思へ |
Z15_0032A12: | ば。悲の淚をさへがたし。設ひ一念なりと云共。何 |
Z15_0032A13: | んぞ引攝を疑はん。十因意大方彌陀の誓ひには。濁世末 |
Z15_0032A14: | 代の衆生を本とす。旣に機感此時に當れり。極〓惡 |
Z15_0032A15: | 人を捨ざれば。破戒の我等も賴あり。されば文に曰。 |
Z15_0032A16: | 極重惡人。無他方便。唯稱彌陀。得生極樂矣 |
Z15_0032A17: | 南無阿彌陀佛 十念 |
Z15_0032B01: | 第五に菩提心を發すと者。是佛道の本意なり。旣に |
Z15_0032B02: | 佛にならむと思ふ心なるが故に。但し菩提心にも敎 |
Z15_0032B03: | に隨て淺深あり。雖レ然詮ずる所は上求菩提下化衆生 |
Z15_0032B04: | の二なり。其上求菩提と申は。上佛道を求る心也。 |
Z15_0032B05: | 下化衆生と云は。一切衆生を悉く度する心なり。又菩 |
Z15_0032B06: | 提の慈悲と申すは。一切の人にをいて有緣無緣をい |
Z15_0032B07: | はず。我獨り子の樣に哀みをなす心也。昔此心を發し |
Z15_0032B08: | たりし人。今の佛といはれ給ふ也。されば菩提の慈 |
Z15_0032B09: | 悲を發さゞらん者は。佛に不レ可レ成。六道の衆生は是 |
Z15_0032B10: | 餘所の者に非ず。我等が生生世世に此彼にて互に生 |
Z15_0032B11: | あひし父母。若は兄弟親類。此外相見し人皆さきの |
Z15_0032B12: | 世の親き人人なり。法門聖敎と申は佛の敎に隨て佛 |
Z15_0032B13: | 道を成じて人を救へとこそ侍るとかや。實に彼聖敎 |
Z15_0032B14: | をば不レ覺ども。生死無常の理は僞りなければ。など |
Z15_0032B15: | か無常の理を觀じて穢土を厭ひ。極樂を欣はざらん |
Z15_0032B16: | や。六道の衆生は是皆遠き父母親類なれば。爭でか |
Z15_0032B17: | 憐まざらん耶。心地觀經に曰。 |