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Z1510 孝養集 覚鑁 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z15_0031A01: 此世界の人彼國に生るるに便あり。尙し人を漏さじ
Z15_0031A02: とて淨土を九品に構へ。誓ひを四十八に立て如來自
Z15_0031A03: 來迎〓給ふを耶。されば佛土の中には西方を以て望
Z15_0031A04: とし。九品蓮臺の間には下品と云共足ぬべしとな
Z15_0031A05: り。殊に二佛深く契りをなして。釋迦は此方にして
Z15_0031A06: 勸め送り。彌陀は彼國にして迎とり給ふ。彼には迎
Z15_0031A07: へ此には遣給ふ。豈さらさるべけんやとこそ侍なれ。
Z15_0031A08: 取意
Z15_0031A09: 諸敎所讚。多在彌陀。故以西方。而爲一准
Z15_0031A10: 此文の意は諸の敎に譽處は多は彌陀にをはしますが
Z15_0031A11: 故に。西方極樂を偏に願ふ所なり。又彼西方を願はん
Z15_0031A12: 人は西を跡にし。後にし。彼方に向て不淨を致し。
Z15_0031A13: 大方愚にする事有まじきなり。聖敎に其禁め多きが
Z15_0031A14: 故なり。
Z15_0031A15: 第四に念佛を唱ふと者。又善導の云く。彼極樂を願ん
Z15_0031A16: 人は此念佛に(シク)はなしと云り。只是何なる人も南無
Z15_0031A17: 阿彌陀佛と云事を無知といへ共。今一きは心を一
Z15_0031B01: にして唱るを實の念佛とは可申なり。或人の云く。
Z15_0031B02: 彼念佛の作法には。音をいと高からず。又ひきからず
Z15_0031B03: して。我心のすむ程にして常に申すべき也とぞいは
Z15_0031B04: れける。又遠く思ふべからず。則阿彌陀佛言。我國に
Z15_0031B05: 來往んと思はん者は。只常に我名を念じて止事なけ
Z15_0031B06: れば則生るゝ事を得べしと宣へり。後世までとは思
Z15_0031B07: ふべからず。若人西方の彌陀を念じ奉て往生を欣ん
Z15_0031B08: 者をば。我今より二十五の菩薩をつかはして令
Z15_0031B09: て諸の鬼神の(ナヤミ)あらせずして。夜晝守て安穩ならし
Z15_0031B10: めんとぞ說たまへり。十王經意を取凡佛の功德を申さば。維
Z15_0031B11: 摩經に曰。三千大千世界の衆生を阿難の如に多聞第
Z15_0031B12: 一にして。彼諸の衆生に各劫の命を與て說しむ共。
Z15_0031B13: 佛の功德を說盡す事不有。又止觀には彌陀一佛
Z15_0031B14: の御名を唱るは十方の佛の御名を唱る功德にひとし
Z15_0031B15: と云り。故に彌陀の御名を唱るに一切の諸佛ともに
Z15_0031B16: 守り念じ給ふ處なり。諸佛の御誓には男女親疎貴き
Z15_0031B17: 賤きもえらみ給はず。心を致て常に念ずれば必ず迎

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