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Z1510 孝養集 覚鑁 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z15_0030A01: 鳴。此諸の音の中に自然に佛法僧を念ずべき心を成
Z15_0030A02: す。如此等の寶を以て莊りたる中央の寶池の上に大
Z15_0030A03: 寶蓮花の御座あり。此座の有樣は八萬四千の花葉具
Z15_0030A04: 足して百寶摩尼の玉のかざり耀けり。毘楞伽寶を以
Z15_0030A05: て臺とし。摩尼珠を以て網とせり。是に阿彌陀如來
Z15_0030A06: 閻浮檀金の色にして威德巍巍たり。彼寶蓮花臺の上
Z15_0030A07: に坐し給ひて。無量の相好御身をかざれり。眉間の
Z15_0030A08: 白毫右に廻り宛轉として五須彌の如し。七百五俱低
Z15_0030A09: 六百萬の光明熾燃赫奕として億千の月日の如し。又
Z15_0030A10: 無量の化佛菩薩光の中に充滿て圍遶し奉り給ふ。又
Z15_0030A11: 其右左に大蓮花座あり。其上に觀音勢至各坐し給へ
Z15_0030A12: り。又無量の天人無量の聖衆星の如くにつらなり。
Z15_0030A13: 雲の如くに集て微妙の音樂を成て阿彌陀如來の相好
Z15_0030A14: をほめ奉る。空より曼荼羅花摩訶曼荼羅花色色にし
Z15_0030A15: て樣樣にふり下る事。鳥の空を飜て然も下るに似た
Z15_0030A16: り。沉檀のかうばしきかほり國土に匂ひ。凡そ天地
Z15_0030A17: 四方に色を見。音を聞に皆見佛聞法の因緣香をかぎ。
Z15_0030B01: 味をなむる悉く發心修行の方便なり。玉の瓔珞露を
Z15_0030B02: 垂れ。寶の幢蓋天にひるがへる。極樂淨土の莊嚴は
Z15_0030B03: 見れ共見れ共彌よ珍敷。阿彌陀如來の御聲は聽共飽
Z15_0030B04: 共聽期なし。淨土論に曰。
Z15_0030B05: 觀彼世界相。勝過三界道。究竟如虛空。廣大無邊際
Z15_0030B06: 文の意は極樂世界は三界にも勝れたり。究竟して虛
Z15_0030B07: 空の如し。廣大にして邊際なしと云云。是譬へを以て
Z15_0030B08: も知難し。只細には各生れて御覽すべし。又樂を受
Z15_0030B09: る樣は下卷に明すべし。抑十方に淨土多し。何ぞ偏に
Z15_0030B10: 西方をすすむるとならば。先づ三の樣を申さん。一
Z15_0030B11: には人に隨ふが故に。二には時相應するが故。三に
Z15_0030B12: は其便を得たるが故に勸るなり。一に人に隨とは。
Z15_0030B13: 雙經觀に。女人は殊に西方極樂の阿彌陀佛の利益深
Z15_0030B14: と見へたるが故に。二には時相應すと者。昔し佛未
Z15_0030B15: 來惡世の衆生は。偏に西方を欣べしと仰せ置れたれ
Z15_0030B16: ばなり。三には其便を得るとは。此世界は是穢土の
Z15_0030B17: 終の所なり。西方極樂は諸の淨土の初門なり。故に

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