浄土宗全書を検索する
AND検索:複数の検索語をスペースで区切って入力すると、前後2行中にそれらを全て含む箇所を検索します。
巻_頁段行 | 本文 |
---|---|
Z15_0029A01: | 其一一の功德莊嚴の目出度事は。凡夫の輒く述べき |
Z15_0029A02: | に非ず。其故は佛の曰。設百千俱那低由他の劫を經 |
Z15_0029A03: | て。百千俱低那由他の劫を以て。一一の舌の上に無 |
Z15_0029A04: | 量の音を出して。ほむともほむとも淨土の莊嚴はつ |
Z15_0029A05: | くる事不能と說給へり。取意なをし彼世界の廣さ計 |
Z15_0029A06: | の邊を云事。佛我盡し難しと仰られたり。況凡夫を |
Z15_0029A07: | や。又き罪人の終る時。若善知識の敎へに隨て。生 |
Z15_0029A08: | て宿る下品下生の蓮華の中計。或は千六百里乃至八 |
Z15_0029A09: | 千里也とそ見えたり。雙觀經には百由旬五百由旬と |
Z15_0029A10: | 云り。此中にして忉利天の如く樂を受て其蓮開け。 |
Z15_0029A11: | 樣樣佛の御法を聞と云り。先彼世界には瑠璃を以て |
Z15_0029A12: | 地とし。金の繩を以て其道をさかへり。其地ひとし |
Z15_0029A13: | くて高下ある事なし。彼地の上に七寶の樹あり。高 |
Z15_0029A14: | さ八千里由旬なり。七寶と者。金。銀。水精。珊瑚。 |
Z15_0029A15: | 琥珀。瑠璃。硨渠是なり。其數生竝相つづきたり。 |
Z15_0029A16: | 瑠璃の色の中より金の光を出し。水精の珠の中より |
Z15_0029A17: | 紅の光を出す。如レ此の諸の寶樹色色の光を出して互 |
Z15_0029B01: | 耀あへり。又一一のあいなみつづきたる樹の上に七 |
Z15_0029B02: | 寳の網あり。彼網に七寳の鈴樣樣に懸たり。其聲微 |
Z15_0029B03: | 妙の響を發して妙なる法門を唱ふ。彼網の一一の間 |
Z15_0029B04: | に五百億の宮殿あり。天童其中に有て樣樣に樂をな |
Z15_0029B05: | して遊び戲れ。夜晝常に百千の伎樂を奏す。又十方 |
Z15_0029B06: | の諸佛時に影向し給ふ。此一一の網の間に又一の淨 |
Z15_0029B07: | 土を顯す。如ノレ是樹世界に充滿り。又道の邊の樹の外 |
Z15_0029B08: | に七寶の欄楯あり。欄楯の外に又七寶の池あり。八功 |
Z15_0029B09: | 德水其中に充滿り。其水凉しく淸くして味ひ甘露の |
Z15_0029B10: | 如し。又常樂我淨の風吹は。苦空無常無我の波立。 |
Z15_0029B11: | 其こえ微妙にして種種の法門を唱。如ノレ此一一の池 |
Z15_0029B12: | 間に色色の蓮花あり。一一の花の中より隨て色色 |
Z15_0029B13: | の光を放つ。光の中に諸の化佛坐て妙なる法を說給 |
Z15_0029B14: | ふ。一一の花の上に菩薩有て夜は花に遊び。晝は宮 |
Z15_0029B15: | 殿に歸り給ふ。如ノレ此衆寶國土の一一の境の上に五百 |
Z15_0029B16: | 億の樓閣あり。其樓閣の內に無量の天人有て天の伎 |
Z15_0029B17: | 樂をなす。又常に空中に無量の樂器有て打ざるに自 |