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Z1510 孝養集 覚鑁 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z15_0022A01: 此。況相見し友達夫妻父母師主にをひてをや。經
Z15_0022A02: に曰
Z15_0022A03: 慈父恩高如山王   悲母恩深如大海
Z15_0022A04: 此の文の意は。父の恩の高き事は山の如し。母の恩
Z15_0022A05: の深き事は大海の如しと云り。然に人は我身の罪に
Z15_0022A06: よりて惡道に墮るにあらず。心地觀經に曰。
Z15_0022A07: 世人爲子造諸罪   墮在三途長受苦
Z15_0022A08: 男女非聖無神通   不見輪廻難可報
Z15_0022A09: 此文の意は。世人は子の爲に諸の罪を造て惡道に墮
Z15_0022A10: て長く苦を受。男女に神通なければ生るる所を不
Z15_0022A11: して報ずる事難しと說給へり。然に幸に今已に生た
Z15_0022A12: る所を知事を得たり。何ぞ情なからん。或曰。孝養の
Z15_0022A13: 心ある人をば。三世の諸佛も悉く憐み。諸天善神も
Z15_0022A14: 集て守とのたまへり。亦觀經に曰
Z15_0022A15: 孝養父母。奉仕師長。三世諸佛。淨業正因
Z15_0022A16: 此文の意は。父母に孝養し師長に仕へ奉るは。三世
Z15_0022A17: 諸佛の成就し給ふ正き道なりと云り。加樣に諸佛の
Z15_0022B01: 佛に成給も。只偏に孝養の力也。かかる故に萬を捨
Z15_0022B02: て。一心に各はげみ給ふべき也。時に彼人に問曰。
Z15_0022B03: 抑功德は孝養に限て候歟。亦何れが中にも勝れて侍
Z15_0022B04: る歟。彼人答て曰。功德の方法是にかぎらず見給はず
Z15_0022B05: 哉。彼各各三寳は殊に三惡道の衆生を救ひ給誓ひ。
Z15_0022B06: 世に勝れたる事なれば。何の功德とてか愚に侍るべ
Z15_0022B07: き其大方の功德の數は述るに不及。但中にも勝たる
Z15_0022B08: 事は眞の志ある。是を第一とす。又堂塔を造らば古
Z15_0022B09: きを修理すれば。更に造るよりも功德勝れたりと。
Z15_0022B10: 經文にあり。又施を行ぜば人をえらぶべからずと申
Z15_0022B11: 也。亦隨喜の功德目出度事と見えたり。其功を造る
Z15_0022B12: 人を見て心の中にも喜び顯れても讚力を合する事な
Z15_0022B13: り。是は造る人の得る處の功德に等しと云り。亦中に
Z15_0022B14: も物の命を資る事。心も言も及ばざる功德にて侍る。
Z15_0022B15: 是遠く申に不及。我身をつみて思し召せと也。さて
Z15_0022B16: 亡者の後世を資るには。殊に光明眞言是勝れたり。安
Z15_0022B17: くして然も一定人の後世助かる法なり。去は彼一一

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