ウィンドウを閉じる

Z1510 孝養集 覚鑁 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z15_0020A01: 後邪見に成たる故なり。亦若きとき貧にして。老後
Z15_0020A02: 樂きは若かりし時。罪を作て老後功德を作か故なり
Z15_0020A03: といへり。亦或經に曰若人の生子に直心福德あるは
Z15_0020A04: 知べし。母の齋をし戒を持。人を愍み僧に布施し。
Z15_0020A05: 木樓樹の數珠を持ちたる故なりと。齋と者卯の明相
Z15_0020A06: 現ずる時に粥を食。亦午の時の前に飯を食する也。
Z15_0020A07: 其功德を云は正九月の一日の齋をする人。是を三大
Z15_0020A08: 齋と云。此人は十方の淨土を念ずるにしたがつて生
Z15_0020A09: 安しと云り。何況六齋十齋若は日日を哉。亦或曰。
Z15_0020A10: 功德にをいて勇ある人は知べし。能所より來て。能
Z15_0020A11: 所へ行べしなりと。又觀經の疏に曰。若人有て。淨
Z15_0020A12: 土の法門を說を聞共不聞がごとく。見れ共不見がご
Z15_0020A13: とくして。空する人は是は可知三惡道より來て。罪
Z15_0020A14: 盡人なりといへり。大集經に曰。
Z15_0020A15: 端正者忍辱中來  貧窮者慳貪中來
Z15_0020A16: 高位者禮拜中來  下賤者憍慢中來
Z15_0020A17: 瘖瘂者誹謗中來  盲聾者不信中來
Z15_0020B01: 長壽者慈悲中來  短命者殺生中來
Z15_0020B02: 諸根不具者破戒中來  六根具足者持戒中來云云
Z15_0020B03: 文の意は形吉者。忍辱の中より來。貧は慳貪の中よ
Z15_0020B04: り來。種姓高は禮拜の中より來る。下﨟は憍慢の中
Z15_0020B05: より來る。をしことともりは誹謗の中より來。盲聾
Z15_0020B06: たる者は不信の中より來る。形體かたはなる者は破
Z15_0020B07: 戒の中より來る。かたはに無者は持戒の中より來る
Z15_0020B08: と云り。此文は常に御覽ずべし。因果を知ざるに依
Z15_0020B09: て。善惡を不畏なり。善者目出度淸淨の心を發して
Z15_0020B10: 修すれば。目出度淸淨の所に生る。若不淨の心を以て
Z15_0020B11: 修すれば不淨の所に生る。惡心を發して殺せば惡心
Z15_0020B12: を發して人に殺さる。大方の萬の善惡に付て因果の
Z15_0020B13: 理にあらずと云事なし。故に因果經に曰。
Z15_0020B14: 欲知過去因。見其現在果。欲知未來果。見其現在因
Z15_0020B15: 此文の意は前の世をしらんと思はば。當時の有樣を
Z15_0020B16: 見るべし。後世の事をしらんと思はば。現在の事を
Z15_0020B17: 見るべしと云り。此卷に善惡を明すと云は卽これ等

ウィンドウを閉じる