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Z1510 孝養集 覚鑁 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z15_0018A01: ば。命の終る時の相を以て知なり。守護經に曰。佛阿
Z15_0018A02: 闍世王に吿て曰。地獄に墮るに十五の相あり。餓鬼に
Z15_0018A03: 生るに八の相あり。畜生に生るに五の相あり。人間に
Z15_0018A04: 生るに十の相あり。天人に生るに十の相ありと。先地
Z15_0018A05: 獄の十五の相と者。一には妻夫從者を惡き眼をして
Z15_0018A06: にらむ。二には兩の手を擧て空をあがきはかる。三に
Z15_0018A07: は善知識の敎へに隨ふ事なし。四には悲泣むせびて
Z15_0018A08: 泪を流す。五には大小便利を不覺不知。六には目を
Z15_0018A09: 閉てひらかず。七には常に面を覆。八にはそばさまに
Z15_0018A10: 臥て物を呑くらふ。九には其身口俱にくさし。十に
Z15_0018A11: は足膝をわななかし。ふるひてさはがしくす。十一
Z15_0018A12: には鼻柱そばだちそばむ。十二には左の眼しふりう
Z15_0018A13: ごく。十三には二の目變じて赤くなる。十四には面
Z15_0018A14: をうつぶして臥す。十五には身をかがめて左の脅を
Z15_0018A15: 地に付て臥す。餓鬼の八の相と者。一には好て其脣
Z15_0018A16: をねふる。二には身の熱き事如火。三には飢渴の聲
Z15_0018A17: をして歎く。四には口をあきて不合。五には二の目
Z15_0018B01: かれかはきて。(クマタカ)孔雀の眼のごとし。六には大小便
Z15_0018B02: 利もらす事なし。七には左の膝先ひゆる。八には右
Z15_0018B03: の手を常ににぎつて。物をおしむやうにするなり。畜
Z15_0018B04: 生の五の相と者。一には妻子を愛し思ふて見ん事を
Z15_0018B05: むさふりて不捨。二には手足の指をかかむ。三には
Z15_0018B06: 五體に遍じて汗流。四には荒しぶりたる聲を出す。五
Z15_0018B07: には口の中にあはをかむ。亦人間に生るるに十の相
Z15_0018B08: と者。一には善心をなす。所謂柔輭の心たえなる心。
Z15_0018B09: 歡喜の心愁へなき心を發すなり。二には身をいたみ
Z15_0018B10: 苦む事なし。三には物語りをするには父母の子を思
Z15_0018B11: たるに似たり。四には妻子に哀を成て常の如して愛
Z15_0018B12: する事もなく怒る事もなく。又耳に兄弟親しき人人
Z15_0018B13: の名を聞ん事を思へり。五には善惡において心不
Z15_0018B14: 亂。六には心正くして曲る事なし。七には父母親類眷
Z15_0018B15: 屬の我を守をよく知れり。八には我事を營を見て喜
Z15_0018B16: びほむる心を成。九には家幷に藏の財を分て與へて
Z15_0018B17: 是を不惜。十にはいさきよき信を發して。三寶を請

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