浄土宗全書を検索する
AND検索:複数の検索語をスペースで区切って入力すると、前後2行中にそれらを全て含む箇所を検索します。
巻_頁段行 | 本文 |
---|---|
Z15_0013A01: | 月のなす處に非ず。我等が不孝不善なる故に。諸天 |
Z15_0013A02: | 善神の力を失ひ給ふ也。 |
Z15_0013A03: | 第八に人間の八苦の相と者。是に三の相あり。一に |
Z15_0013A04: | は不淨の相。二には苦の相。三には無常の相なり。不 |
Z15_0013A05: | 淨の相と者。凡人の身に三百六十の骨あり。足の指 |
Z15_0013A06: | よりして頭の骨迄。一一に相ささえたり。此上に五 |
Z15_0013A07: | 百分の肉尙泥をぬりたるが如し。二十五の息の出る |
Z15_0013A08: | 筋。猶し窻の間の如し。一百七のをこつりあり。亦八 |
Z15_0013A09: | 萬の毛あり。亂れたる草の覆るが如し。亦三百六十 |
Z15_0013A10: | の血の筋あり。其中に三升の血ながれ。しただる。 |
Z15_0013A11: | 亦九十九萬の穴あり。此より常に汗を出す。亦九重の |
Z15_0013A12: | 皮其上をつつみたり。腹の中には六腑五臟色色にし |
Z15_0013A13: | て。長き短きあり。其中に諸の大小の蟲集れり。加 |
Z15_0013A14: | 之大小便かすはき鼻たり。うみしる足の爪より頭の |
Z15_0013A15: | かみに至る迄。內外に何か不淨ならぬ所ある。大方 |
Z15_0013A16: | 九の穴より色色に出る不淨ありのままに顯しみせん |
Z15_0013A17: | には。をもはしき中と云事あるべからず。其をば隱 |
Z15_0013B01: | して。そぞろなる草の汁蟲の絲なんどを以をり。色 |
Z15_0013B02: | 色に染たる物をかづき。けづらふ姿に眼をまどはさ |
Z15_0013B03: | れて著をなす事。譬はいろどり繪かきたるかめに糞 |
Z15_0013B04: | 穢を入て愛するが如し。是故に大海をかたぶけて洗 |
Z15_0013B05: | 共。盡る事不レ可レ有と云り。況命盡て後塚の邊り。野 |
Z15_0013B06: | のあたりに捨られて一日二日乃至十日なんど過ぬれ |
Z15_0013B07: | ば。やさしき體もうとましく。白き膚もあをくなり。 |
Z15_0013B08: | 赤き脣も黑くなり。六腑五臟亂あひて。くされる中に |
Z15_0013B09: | は蟲うぐめきわきかへる。上には靑きはい集つて肪 |
Z15_0013B10: | 脹爛壞たる姿。きたない事は死したる犬にも過。恐 |
Z15_0013B11: | しき事は偏へに鬼にことならず。然ば親きも疎きも。 |
Z15_0013B12: | 顏に袖を覆て迯去。近付者とては犬馬集て眼をぬい |
Z15_0013B13: | て東西へ飛去き。足をくはえて南北に走去。有と知 |
Z15_0013B14: | 所をば彼こそと指をさす計なり。是皆人ごとに。そ |
Z15_0013B15: | なはる事なれば我と云人と云も。かかる者のよりあ |
Z15_0013B16: | ひて。或は上下を論じ。或はたはふれ誇ぞ愚也。只 |
Z15_0013B17: | かかる不淨を知て是何の益か有と云ば。佛道に至る |