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Z1510 孝養集 覚鑁 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z15_0012A01: 無信賢聖誡 寧知後世辛 悠悠彼狂子 此是傍生因
Z15_0012A02: 此文の意は聖のいましめを信ずる事なく。後世の罪
Z15_0012A03: を不知人は。是畜生の因也と。故に心あらん人。畜
Z15_0012A04: 生を見ては汝是畜生發菩提心と唱て聞せよと。佛仰
Z15_0012A05: せられたるなり。是大なる功德なり。
Z15_0012A06: 第七に阿修羅道の安かるぬ相と者。是に付て二の栖
Z15_0012A07: あり。根本勝たる栖者。須彌山の北の大海の底にあ
Z15_0012A08: り。末末は須彌山の四方に東州西州南州北州とて山
Z15_0012A09: の巖の中にあり。彼等互に不安心をなして。一日に
Z15_0012A10: 三度づつの合戰絕間なし。如之天人の爲に害心を成
Z15_0012A11: て軍を集。夜晝安き心なし。雷鳴は天の軍の皷かと
Z15_0012A12: 驚き。亦天に上れば四王雨の如くに劒を降す。住所へ
Z15_0012A13: 至れば敵雲霞の如く責來。故に凡起居に付て其身を
Z15_0012A14: 破不切と云ことなし。其命をいへば人間の五百年を
Z15_0012A15: 以て一日一夜として其命五千歲乃至八百年を以て一
Z15_0012A16: 日一夜として八千歲あるもあり。亦如何なる罪に依
Z15_0012A17: て此執を受と云は佛法を信ずる心なき人。諸の大善
Z15_0012B01: 根を作りつつ。名聞にして佛道に廻向せざる者。或
Z15_0012B02: は精進持戒の人來れば小分の物を布施にして。然も
Z15_0012B03: 其を疑ひ賤み嘲る人。或は軍いさかひ。口舌する人。
Z15_0012B04: 或は人を集て博燮奕等を以て人の財をあざむき取て
Z15_0012B05: 僧に布施をする人。かかる諂曲不善の者此報を受と
Z15_0012B06: いへり。阿修羅道の名を聞だにも恐しき所なり。よ
Z15_0012B07: しなし此報を厭べし。十住心論に曰。
Z15_0012B08: 憍曲諂心作布施    命終必至修羅道
Z15_0012B09: 壽命八千不願出    冥冥長夜徒生死
Z15_0012B10: 此文の意は。へつらひまがり憍慢の心を以て布施を
Z15_0012B11: なす者。終る時には必修羅道に至る。命は八千歲出
Z15_0012B12: ん事を不。冥闇に徒に生死す。其に取て。月蝕日蝕
Z15_0012B13: と申事あり。是は此閻浮提に正法を不行。父母に不
Z15_0012B14: 孝にあたり。聖敎を不敬。法を謗る人ある時に。天
Z15_0012B15: 人の力よはくなり。修羅勢をまして。天を打んと思
Z15_0012B16: て天上へ登るとき。阿修羅日月に手ををほひ。光を失
Z15_0012B17: ふなり。此を日蝕月蝕とも云。天の蝕共申なり。是日

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