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Z1510 孝養集 覚鑁 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z15_0009A01: づく。彼は月日の光さす事なし。其中のくさき事出
Z15_0009A02: 山沒山と云二の山たにへだてず。其香人間迄も。か
Z15_0009A03: ほりて滅失ぬべし。若無間地獄の苦惱を有のままに
Z15_0009A04: 聞は皆人絕死なん。譬を取ても說ならば。聞人忽に
Z15_0009A05: 血を吐て死なんと佛說給へり正法念經取意されば地獄に墮
Z15_0009A06: たりし。昔を思ひ出ける羅漢は衣の染程に身より血
Z15_0009A07: の汙を常に流しけるとなん。旣に是を悟り得て亦も
Z15_0009A08: 地獄へかへるまじき。證果の聖人の昔を思出けるす
Z15_0009A09: ら爾なり。況や此等の罪を造てかかる地獄に墮べか
Z15_0009A10: らん人。恐ても可恐と云云能能懺悔すべし。十住心
Z15_0009A11: 論に云
Z15_0009A12: 人間三業過。冥路多苦叢。莫放身口業。動招寒熱躬
Z15_0009A13: 此文の意は人間の過はよみぢの苦み多し。三業の過
Z15_0009A14: を恣にする事なかれ。(ヤヤモ レ)ば地獄の苦を招故なりと。第
Z15_0009A15: 五に餓鬼道の愁への相と者。先住所をいはば有二。
Z15_0009A16: 一には地の下五百由旬を過て閻魔王界に有。二には
Z15_0009A17: 人天の間にあり。其中の愁への相を略して云ば。或
Z15_0009B01: は餓鬼あり。名鑊身。身の長大にして人に勝れたる
Z15_0009B02: 事二倍なり。面目なし。足手はかな輪の足の如く焰の
Z15_0009B03: 中に滿て其身を燒。昔財を貪て。人をほふり殺せる
Z15_0009B04: 者此報を受。或は餓鬼あり食蟲と名付。其身大にし
Z15_0009B05: て半由旬なり。常につばきを求て命をつぐ。食物を
Z15_0009B06: 得る事なし。昔夫として美食を喰て妻子に不與妻と
Z15_0009B07: して。自食し夫子に不與者此報を受。或は餓鬼あり。
Z15_0009B08: 人の疑によりて。水邊林中にして祭を儲る。此香氣
Z15_0009B09: をかいで命をつぐ。是は名食氣。或は餓鬼あり名
Z15_0009B10: 。色黑き事如。淚流る事如。或は餓鬼あり
Z15_0009B11: 食水。飢渴身を責。水を求るに得る事なし。若人河
Z15_0009B12: を渡るに。足の下にふれ落る水を取て。命をかけた
Z15_0009B13: り。昔酒を酤るに水を加へ。亦蚓蛾(ミミスヒル)をしづめなんどし
Z15_0009B14: て。善法をなさざる者此報を受。或は餓鬼あり名
Z15_0009B15: 。若人水を結んで。亡びたる父母にたむくるに其
Z15_0009B16: を少し受て命をかけたり。若自水をとれば水を守る
Z15_0009B17: 諸の鬼杖を取て打。或は餓鬼あり海の磯の中に生れ

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