浄土宗全書を検索する
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| 巻_頁段行 | 本文 |
|---|---|
| Z15_0007A01: | 獄の苦惱に越たるはなし。目に見る物は盛なる焰。耳 |
| Z15_0007A02: | に聞ゆる物は百千の毒の蟲のほえ叫聲なり。罪人の |
| Z15_0007A03: | 大苦惱をなす事。人間には可レ避事なし。地獄の火を |
| Z15_0007A04: | 人間の火に比ぶれば人間の火は如レ雪ノ。又八大地獄は |
| Z15_0007A05: | 一一に十倍まさりて苦惱を受といへり。罪人苦を受 |
| Z15_0007A06: | て堪がたきままに。など哀む心なき哉といへば。獄 |
| Z15_0007A07: | 率答曰 |
| Z15_0007A08: | 非異人作惡。異人受苦報。自業自得果。衆生皆如是文 |
| Z15_0007A09: | 此文の意は。人の造る惡に依て我苦みを受るには非 |
| Z15_0007A10: | ず。自造る罪自むくひて受。衆生皆如レ此。汝愚なり |
| Z15_0007A11: | 阿防羅刹。閻羅獄率の情なきには非ず。是汝が昔造 |
| Z15_0007A12: | し罪の。今汝を責るなり。只自心を悔しめと云。さ |
| Z15_0007A13: | れば其理に舌をまきて。我身を恨みて聲も不レ惜叫。 |
| Z15_0007A14: | 大方地獄に入と。入ぬる人には父母も來て不レ哀。妻 |
| Z15_0007A15: | 子も替つて助ける事なし。只自苦を受て獨り悲む計 |
| Z15_0007A16: | なり。天に仰ぎ地をたゝきて叫べ共。言のみつき。心 |
| Z15_0007A17: | のみ消て助る方もなし。かかる地獄の苦を受るは只 |
| Z15_0007B01: | 酒と。肉との誇故なり。されば經に曰 |
| Z15_0007B02: | 於佛所生癡。壞世出世事。燒解脫如火。所謂酒一法至 |
| Z15_0007B03: | 此文の意は。佛のみもとにして。愚なる事を成。現 |
| Z15_0007B04: | 當二世の事を破り。佛道を燒事如レ火なれば。酒の一 |
| Z15_0007B05: | なりと云り。大苦惱を受るも。一日二日にあらず。 |
| Z15_0007B06: | 先四王天は人間の五十年を以一日一夜として。五百 |
| Z15_0007B07: | 年を經なり。彼天の五百年を一日一夜として。等活 |
| Z15_0007B08: | 地獄の罪人は五百年を經なり。此等活地獄の一日一 |
| Z15_0007B09: | 夜は人間の九十萬年に當るなり。次に黑繩地獄の命 |
| Z15_0007B10: | は。忉利天には人間の百年を以一日一夜として。一 |
| Z15_0007B11: | 千年を經なり。彼天の一千年を一日一夜として。黑 |
| Z15_0007B12: | 繩地獄の罪人は一千年を經なり。乃至無間の命は一 |
| Z15_0007B13: | 中劫なり。但劫に數多の樣あり。一說に云。方四十 |
| Z15_0007B14: | 里。高さも四十里の石を。天人の衣を以て三年に。 |
| Z15_0007B15: | 一度づつ撫て。撫盡を以小劫と云ふ。亦六十里の石を |
| Z15_0007B16: | 撫盡すを以中劫と云。亦八十里の石を撫盡すを以大 |
| Z15_0007B17: | 劫と云なり。但し地獄の命は俱舍によると云り。又何 |