浄土宗全書を検索する
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| 巻_頁段行 | 本文 |
|---|---|
| Z15_0006A01: | 宮に召付られて罪の重き經きをただし。其に隨つて |
| Z15_0006A02: | 獄率請取て鐵の繩を以て縛り頸を結。或は焦熱なん |
| Z15_0006A03: | どに墮る罪人は。六千八百由旬の。さまざまの嶮しき |
| Z15_0006A04: | 處處を責下して。行つきて尙禁を副て。又三十六億 |
| Z15_0006A05: | 由旬の下へ向て墮すなり。凡地獄におちて悲む事を |
| Z15_0006A06: | ば不レ可レ云。先地獄の聲を聞計に罪人の息絕。地に倒 |
| Z15_0006A07: | る。地獄の廣さ一萬由旬と云へるは。一億六萬里に |
| Z15_0006A08: | 當れり。其中に大なる焰もゑ登れり。高さ八千里なり |
| Z15_0006A09: | 況や地獄の中に墮て。大苦惱を受事を哉。是を略し |
| Z15_0006A10: | て云は。此中の罪人は或は鐵の爪を以て互に其身を |
| Z15_0006A11: | さき破る。然して血肉を灰砂の如になし。活れは亦 |
| Z15_0006A12: | 前の如にする事數を不レ知。或は鐵の二の山の中に入 |
| Z15_0006A13: | て責ひしぎ。或は臼に納てつきくだく事塵灰の如く |
| Z15_0006A14: | なり。或は鐵の口ばしある犬馬虎狼集つて其身を破 |
| Z15_0006A15: | り食ふ。或は糞の中に沈て銅の口ばしある蟲其中に |
| Z15_0006A16: | 充滿て罪人を喰ふ事。皮をうがちて肉に入。筋を斷 |
| Z15_0006A17: | て骨をとをす。或は鉾劍を以て。さまざまに裂切。 |
| Z15_0006B01: | 或は罪人を劒の林に追昇すれば。彼劒罪人に向て其 |
| Z15_0006B02: | 身を裂破る。加レ之手に取も足に踏も皆劒なり。或は |
| Z15_0006B03: | 罪人の一一身の皮をはぎて。鐵のやけたる棚の上に |
| Z15_0006B04: | 臥て。其皮をはぎたる身に。銅のわきかへる湯を一 |
| Z15_0006B05: | 一に灑ぐ。或は口をあけて銅の湯を入れば五臟六腑 |
| Z15_0006B06: | 燒破れて出ぬ。大方五體身分內外に少も安所なきを。 |
| Z15_0006B07: | 名付て地獄の罪人とは申す也。さけばんとすれ共さ |
| Z15_0006B08: | けばれず。焰を口にをほせ舌に釘をうたれてあれば |
| Z15_0006B09: | なり。迯んとすれ共可レ迯方もなし。一億六萬里の中 |
| Z15_0006B10: | にして東西見えねばなり。上には焰あがり。下には鐵 |
| Z15_0006B11: | の湯わきかへる地なり。時に隨つて毒の蟲雨の足の |
| Z15_0006B12: | 如して降下れば。其に隨て焰いよいよ。さかりと成 |
| Z15_0006B13: | る。然るを獄率等。各鐵の杖と劒とを手に取て。罪人 |
| Z15_0006B14: | を呵責す彼獄率の姿は或は足手長して其身を驚し。 |
| Z15_0006B15: | 臂をいからし。眼をせからかす事電の如し。頭は馬牛 |
| Z15_0006B16: | に似て音雷の鳴る如し。色形其心世間に情なき者は |
| Z15_0006B17: | 閻羅獄率に。しくはなく。恐しく堪がたき事は。地 |