ウィンドウを閉じる

Z1510 孝養集 覚鑁 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z15_0005A01: 倒して。後世と云事を不知。知ねば則三惡道に墮す。
Z15_0005A02: 其ときは猛き言も不叶。諸の財も身に不隨。佛是
Z15_0005A03: を說て曰。
Z15_0005A04: 妻子珍寶及王位。臨命終時不隨者。唯戒及施不放逸。
Z15_0005A05: 今世後世爲伴侶
Z15_0005A06: 此文の意は妻子も寶も王位も命終るとき隨ふ者な
Z15_0005A07: し。唯戒と布施と放逸ならざると。此世も後世も侶と
Z15_0005A08: なると仰らるれ共不旣に妻子を養んとして。諸の
Z15_0005A09: 罪を造て惡道へ行と見えたれ共。彼妻子を顧には力
Z15_0005A10: をはげまし。心を盡す事懇なり。放逸にして親の爲に
Z15_0005A11: は情なし。適孝を施すといへ共只人目計なり。誤て又
Z15_0005A12: 夢幻の世を過んとて。色色の財を我ぞ人ぞと諍んよ
Z15_0005A13: りは。只我身を我と思んずるにはしかじ。冥途の旅に
Z15_0005A14: は親きも疎も添事なく。闇闇として一人行。重ねし袖
Z15_0005A15: も着る事なければ。悔の泪胸に遮る。魂を奪ふ鬼は。
Z15_0005A16: 高きをも不敬やさしきにも情なく。あらけなき獄率
Z15_0005A17: の手に懸。閻魔王の庭には一人跪べき事の懾思遣べ
Z15_0005B01: し。加之昔造し罪身にそふ影の如し。又彼罪に隨て
Z15_0005B02: 生るる所の六道を下に明す是を能可見。六道と者一
Z15_0005B03: には地獄。二には餓鬼。三には畜生。以上是三惡道也四には阿
Z15_0005B04: 修羅道。五には人道。六には天道。總是を六道と申也。
Z15_0005B05: 第四に作罪に依て地獄に墮る相と者。大方地獄を云
Z15_0005B06: ば。其數雖多總して申さば二種なり。一には八寒二
Z15_0005B07: には八熱なり。八寒と者氷の地獄なり。八熱と者焰の
Z15_0005B08: 地獄なり。等活黑繩衆合叫喚大叫喚焦熱大焦熱無間
Z15_0005B09: なり。初の等活地獄のありさまは。此世界の下一千
Z15_0005B10: 由旬にあり。高廣一萬由旬なり。亦其下に黑繩地獄
Z15_0005B11: あり。高廣前に同じ。如是次第にありて。乃至無間地
Z15_0005B12: 獄は。大焦熱の下欲界の底にあり。無間は縱橫八萬由
Z15_0005B13: 旬なり。亦此八大地獄に。一一に十六の別所を四方に
Z15_0005B14: 相具したり。其色色の地獄の有樣。罪人の苦みの相。
Z15_0005B15: 命の長き短き事。區に經論に明されたりと云ども。具
Z15_0005B16: に明しがたき故に。今略して少分を可申也。先彼へ
Z15_0005B17: 趣く罪人は。中有にして無量の苦を受。加之閻魔王

ウィンドウを閉じる