浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0311A01: | みな悉く。稱名の易行にて。有るべき證據は。卽ち中 |
Z14_0311A02: | 郞の集に見へ候。彼云。一家眷屬。俱歸二白業一。專持名 |
Z14_0311A03: | 字。有二甚麼難一と。豈に明かならずや。 さて又。紀夢 |
Z14_0311A04: | の上を。理觀を讃歎せし樣に。見なさるゝこと。中道 |
Z14_0311A05: | の。袁氏之生傳を。讀まれぬ故ならん。彼の傳の中に。 |
Z14_0311A06: | 中道の子。四歲になる。袁海が。念佛往生のことを載 |
Z14_0311A07: | せたり。されば。袁氏一門の修行は。すぺて卽心觀佛 |
Z14_0311A08: | などの。こ難き沙汰とは見へず。此等の意を以て。と |
Z14_0311A09: | くと。中郞夢吿の趣を味へば。彌陀稱名の功德を。讃 |
Z14_0311A10: | 歎せる旨。彌よ分明ならん。 |
Z14_0311A11: | 然れば○大乘の觀法なり。未究竟の法に。因緣ある |
Z14_0311A12: | 人は格別。まめやかに。この度び出離せんと。思はん |
Z14_0311A13: | 者は。その悠々の。觀法を聞き習ふて。やう〱。別時 |
Z14_0311A14: | 意趣なんどの。利益を得んよりは。何とぞ。上品に往 |
Z14_0311A15: | 生し。覺へず眞如の門に轉入する。順次の利益ある。 |
Z14_0311A16: | 稱名を聞き習ふて。宜しかるべき樣存候。 |
Z14_0311A17: | 急に精を出すべきは○卽心念佛なり。事理雙修は。 |
Z14_0311B01: | 圓觀もやゝ熟して。事に涉れども。理を妨げず。理に |
Z14_0311B02: | 在れども。事を隔てぬ。五品の正行なりと云。顯然な |
Z14_0311B03: | る道理を。押し曲て。心安くとりなし。愚夫愚婦へ向 |
Z14_0311B04: | て。勸めらるゝ段。いかさま卽心念佛を。たきつけら |
Z14_0311B05: | るゝ。我執の談義に。紛れなし。古人云。有レ我則蔽レ理 |
Z14_0311B06: | 矣と。誠なるかな。 |
Z14_0311B07: | 卽心念佛の囘向發願の段 |
Z14_0311B08: | 行と云は卽心念佛なり。台家にて。淨土を修行し玉 |
Z14_0311B09: | ふに付ては。卽心の機もあるべし。又稱名の機もあら |
Z14_0311B10: | ん。何ぞ偏局に。卽心の一行のみならんや。故に慈雲。 |
Z14_0311B11: | 幽溪。藕益。及び日本の慧心等は。共に觀念稱名の。二 |
Z14_0311B12: | 行を勸め玉ふ。因て今時。台家の高德なる。善知識が |
Z14_0311B13: | たを。見聞するにも。みな左樣の由なるに。唯この談 |
Z14_0311B14: | 義のみ。始終卽心々々と。云はるゝこと。いかにして |
Z14_0311B15: | も。窟宅ふかし。 |
Z14_0311B16: | 此四弘誓願○求むることなり。 なる程。尤に候。先 |
Z14_0311B17: | づかく四弘誓の。成就なり難きことを。覺えられば。 |