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Z1440 即心念仏摘欺説 敬首 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0311A01: みな悉く。稱名の易行にて。有るべき證據は。卽ち中
Z14_0311A02: 郞の集に見へ候。彼云。一家眷屬。俱歸白業。專持名
Z14_0311A03: 字。有甚麼難と。豈に明かならずや。 さて又。紀夢
Z14_0311A04: の上を。理觀を讃歎せし樣に。見なさるゝこと。中道
Z14_0311A05: の。袁氏之生傳を。讀まれぬ故ならん。彼の傳の中に。
Z14_0311A06: 中道の子。四歲になる。袁海が。念佛往生のことを載
Z14_0311A07: せたり。されば。袁氏一門の修行は。すぺて卽心觀佛
Z14_0311A08: などの。こ難き沙汰とは見へず。此等の意を以て。と
Z14_0311A09: くと。中郞夢吿の趣を味へば。彌陀稱名の功德を。讃
Z14_0311A10: 歎せる旨。彌よ分明ならん。
Z14_0311A11: 然れば○大乘の觀法なり。未究竟の法に。因緣ある
Z14_0311A12: 人は格別。まめやかに。この度び出離せんと。思はん
Z14_0311A13: 者は。その悠々の。觀法を聞き習ふて。やう〱。別時
Z14_0311A14: 意趣なんどの。利益を得んよりは。何とぞ。上品に往
Z14_0311A15: 生し。覺へず眞如の門に轉入する。順次の利益ある。
Z14_0311A16: 稱名を聞き習ふて。宜しかるべき樣存候。
Z14_0311A17: 急に精を出すべきは○卽心念佛なり。事理雙修は。
Z14_0311B01: 圓觀もやゝ熟して。事に涉れども。理を妨げず。理に
Z14_0311B02: 在れども。事を隔てぬ。五品の正行なりと云。顯然な
Z14_0311B03: る道理を。押し曲て。心安くとりなし。愚夫愚婦へ向
Z14_0311B04: て。勸めらるゝ段。いかさま卽心念佛を。たきつけら
Z14_0311B05: るゝ。我執の談義に。紛れなし。古人云。有我則蔽
Z14_0311B06: 矣と。誠なるかな。
Z14_0311B07:  卽心念佛の囘向發願の段
Z14_0311B08: 行と云は卽心念佛なり。台家にて。淨土を修行し玉
Z14_0311B09: ふに付ては。卽心の機もあるべし。又稱名の機もあら
Z14_0311B10: ん。何ぞ偏局に。卽心の一行のみならんや。故に慈雲。
Z14_0311B11: 幽溪。藕益。及び日本の慧心等は。共に觀念稱名の。二
Z14_0311B12: 行を勸め玉ふ。因て今時。台家の高德なる。善知識が
Z14_0311B13: たを。見聞するにも。みな左樣の由なるに。唯この談
Z14_0311B14: 義のみ。始終卽心々々と。云はるゝこと。いかにして
Z14_0311B15: も。窟宅ふかし。
Z14_0311B16: 此四弘誓願○求むることなり。 なる程。尤に候。先
Z14_0311B17: づかく四弘誓の。成就なり難きことを。覺えられば。

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