浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0310A01: | これ皆聞法の功德。諸大乘の通說にて。尤のことな |
Z14_0310A02: | り。況や明幹が如きは。旣に地藏大士の。加被にあへ |
Z14_0310A03: | り。若し左樣の加被なき。悠々の聞法は。但これ久遠 |
Z14_0310A04: | の益にて。別時意趣なり。よく分別すべし。さて又。 |
Z14_0310A05: | 往生要集には。華嚴經。法幢菩薩の偈に。若有二諸衆生一。 |
Z14_0310A06: | 未レ發二菩提心一。一得レ聞二佛名一。決定成二菩堤一と云を引ひ |
Z14_0310A07: | て。たゞ佛の名號を。聞けるのみにても。廣大なる勝 |
Z14_0310A08: | 利ありとの玉へば。必ず理觀を偏執すること。有るべ |
Z14_0310A09: | からず。 |
Z14_0310A10: | さて又觀經華嚴○知れたり。一たび聞くとは。若し |
Z14_0310A11: | 觀行の一聞ならば。卽得解脫し。若し悠々の一聞なら |
Z14_0310A12: | ば。爲種亦强なり。學者。各々自位に住する敎へを。忘 |
Z14_0310A13: | れずして。邪見に落ち入る事なかれ。 |
Z14_0310A14: | 唐土近代の○如レ此。中郞の讃二-歎如來。不可思議。度 |
Z14_0310A15: | 生之力一と云へるは。卽ち彌陀經の。讃二-歎阿彌陀佛。不 |
Z14_0310A16: | 可思議。功德之利一のことなり。功德は。卽ち度生なれ |
Z14_0310A17: | ば。經の功德之利を。度生之力と。云ひたるなり。され |
Z14_0310B01: | ば中郞の意は。諸佛は。彌陀の。不可思議。功德之利 |
Z14_0310B02: | を。讃歎し玉ふ故。予も。亦如來の。不可思議。度生之 |
Z14_0310B03: | 力を。讃歎せしとなり。それ故。合論の首めに。彌陀經 |
Z14_0310B04: | を安置し。周之夔の序には。阿彌陀佛。假二廣長舌相。 |
Z14_0310B05: | 于袁氏之書一といへり。凡そ合論に。種々の義門あれ |
Z14_0310B06: | ども。一部の結歸は。たゞ執持名號の一法を。勸讃す |
Z14_0310B07: | るにあり。故に周之夔の序にも。念佛求レ生二淨土一。功行 |
Z14_0310B08: | 觀門無窮。而執二持名號一。一心不亂。爲二第一一也といへ |
Z14_0310B09: | り。然れば中郞は。稱名念佛の。不可思議功德なる事 |
Z14_0310B10: | を。讃歎せるに。何とてこれを。廻り遠く。法華の。定 |
Z14_0310B11: | 慧力莊嚴にとりなして。禪定智慧とせらるゝや。勿 |
Z14_0310B12: | 論。一法一切法なれば。彌陀如來の。不可思議功德は。 |
Z14_0310B13: | 一大藏へ。通ずべけれども。且く彌陀法門の上にて |
Z14_0310B14: | は。執持名號が。宗本第一なり。今その宗本第一を指 |
Z14_0310B15: | し置いて。遠く空慧を。引きよせ玉ふこと。餘りに理 |
Z14_0310B16: | 觀を。執せらるゝ故。文隨二執見一隱との。弘法大師の御 |
Z14_0310B17: | 誡に。はたと背れ畢んぬ。さて。袁氏一門の修行は。 |