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Z1440 即心念仏摘欺説 敬首 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0310A01: これ皆聞法の功德。諸大乘の通說にて。尤のことな
Z14_0310A02: り。況や明幹が如きは。旣に地藏大士の。加被にあへ
Z14_0310A03: り。若し左樣の加被なき。悠々の聞法は。但これ久遠
Z14_0310A04: の益にて。別時意趣なり。よく分別すべし。さて又。
Z14_0310A05: 往生要集には。華嚴經。法幢菩薩の偈に。若有諸衆生
Z14_0310A06: 菩提心。一得佛名。決定成菩堤と云を引ひ
Z14_0310A07: て。たゞ佛の名號を。聞けるのみにても。廣大なる勝
Z14_0310A08: 利ありとの玉へば。必ず理觀を偏執すること。有るべ
Z14_0310A09: からず。
Z14_0310A10: さて又觀經華嚴○知れたり。一たび聞くとは。若し
Z14_0310A11: 觀行の一聞ならば。卽得解脫し。若し悠々の一聞なら
Z14_0310A12: ば。爲種亦强なり。學者。各々自位に住する敎へを。忘
Z14_0310A13: れずして。邪見に落ち入る事なかれ。
Z14_0310A14: 唐土近代の○如此。中郞の讃-歎如來。不可思議。度
Z14_0310A15: 生之力と云へるは。卽ち彌陀經の。讃-歎阿彌陀佛。不
Z14_0310A16: 可思議。功德之利のことなり。功德は。卽ち度生なれ
Z14_0310A17: ば。經の功德之利を。度生之力と。云ひたるなり。され
Z14_0310B01: ば中郞の意は。諸佛は。彌陀の。不可思議。功德之利
Z14_0310B02: を。讃歎し玉ふ故。予も。亦如來の。不可思議。度生之
Z14_0310B03: 力を。讃歎せしとなり。それ故。合論の首めに。彌陀經
Z14_0310B04: を安置し。周之夔の序には。阿彌陀佛。假廣長舌相。
Z14_0310B05: 于袁氏之書といへり。凡そ合論に。種々の義門あれ
Z14_0310B06: ども。一部の結歸は。たゞ執持名號の一法を。勸讃す
Z14_0310B07: るにあり。故に周之夔の序にも。念佛求淨土。功行
Z14_0310B08: 觀門無窮。而執持名號。一心不亂。爲第一也といへ
Z14_0310B09: り。然れば中郞は。稱名念佛の。不可思議功德なる事
Z14_0310B10: を。讃歎せるに。何とてこれを。廻り遠く。法華の。定
Z14_0310B11: 慧力莊嚴にとりなして。禪定智慧とせらるゝや。勿
Z14_0310B12: 論。一法一切法なれば。彌陀如來の。不可思議功德は。
Z14_0310B13: 一大藏へ。通ずべけれども。且く彌陀法門の上にて
Z14_0310B14: は。執持名號が。宗本第一なり。今その宗本第一を指
Z14_0310B15: し置いて。遠く空慧を。引きよせ玉ふこと。餘りに理
Z14_0310B16: 觀を。執せらるゝ故。文隨執見隱との。弘法大師の御
Z14_0310B17: 誡に。はたと背れ畢んぬ。さて。袁氏一門の修行は。

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