浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0309A01: | 申すべき歟。かへす〲。淺ましく覺へ侍る。 |
Z14_0309A02: | 少し智慧○登り玉へ。 不可思議微妙の。玉の臺に |
Z14_0309A03: | は。必ず觀行已上なる。上根利智の登る。習ひなれば。 |
Z14_0309A04: | 少し智慧ある分にては。中々望たへはてぬ。總じて。 |
Z14_0309A05: | 觀心むきの修行は。大智なる者に非ざれば。相談なり |
Z14_0309A06: | 難きは。定りしことなり。故に金剛錍私記には。自レ非二 |
Z14_0309A07: | 博解一。指心難レ當とあり。など是說を。用ゐられぬや。 |
Z14_0309A08: | 問。今談の。京都旅宿の咄しを未究竟の喩との玉ふ。 |
Z14_0309A09: | 若し爾らば。その究竟の法を喩ふること。如何。答。此 |
Z14_0309A10: | れいかにも肝心なるべし。今これを喩へば。君より。 |
Z14_0309A11: | 遠國の民をめさんに。一人は本より步行。叶はざる者 |
Z14_0309A12: | から。偏にその御慈悲を仰ぎ奉りぬ。君。不便に思し |
Z14_0309A13: | めし。やがて御威光かゝりて。用途馬鞍なんど。たび |
Z14_0309A14: | ければ。いかにも大富長者の樣に。樂みて參りぬ。又 |
Z14_0309A15: | 一人は。打ち任せては。君を賴まざりしかば。自の技 |
Z14_0309A16: | 倆をはげみ。步にてゆく。莚ぎれ菅ごもや。笠わらん |
Z14_0309A17: | づまで營みつゝ。なを雨雪にも。路頭にさそらへば。 |
Z14_0309B01: | さながら。野非人の如くなるべし。かくて。大內へ參 |
Z14_0309B02: | りて後。步行の民は。たゞ下部とともに。並居せしに。 |
Z14_0309B03: | かの御威光のかゝりし者は。左右なく。昇殿をゆり |
Z14_0309B04: | て。官職を得たるこそ。いと不思議なれ。さる程に。自 |
Z14_0309B05: | の慈力に任て。往生するは。かの步にて行く民の如 |
Z14_0309B06: | く。佛の弘願に仗て。往生するは。馬鞍にて。參る者の |
Z14_0309B07: | 如し。識心雖レ劣。至極。愚痴無智の輩を云。依二-託如來。本願勝力一。還 |
Z14_0309B08: | 能同二彼地上菩薩。所變淨土一。微妙廣大。淸淨莊嚴。此はこれ |
Z14_0309B09: | 實報莊嚴土なり。亦得レ見故と釋し玉ふ。千福の御釋。疑ふべか |
Z14_0309B10: | らず。又劣夫。愚痴なる稱名の人。從二轉輪王行一。別願の勝緣なり。飛騰乘二虛 |
Z14_0309B11: | 空一。實報土なり。小兒。無智なる念佛の者。依二象馬車力一。他の殊勝力なり。到レ京 |
Z14_0309B12: | 得二官職一實報土なり。と說き玉ふ。曇鸞。道綽。善道等の御 |
Z14_0309B13: | 喩へ。深く信順すべし。 |
Z14_0309B14: | さて慧心の先德の○疑ひなきことなり。觀經。華嚴 |
Z14_0309B15: | の偈を聞ひて。脫苦すべきこと。珍しからず。それ故 |
Z14_0309B16: | 明幹が。華嚴の偈を聞し樣に。𤣥通律師も。無量壽經 |
Z14_0309B17: | の。其佛本願力の偈を聞ひて。冥途にて。利益ありき。 |