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Z1440 即心念仏摘欺説 敬首 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0309A01: 申すべき歟。かへす〲。淺ましく覺へ侍る。
Z14_0309A02: 少し智慧○登り玉へ。 不可思議微妙の。玉の臺に
Z14_0309A03: は。必ず觀行已上なる。上根利智の登る。習ひなれば。
Z14_0309A04: 少し智慧ある分にては。中々望たへはてぬ。總じて。
Z14_0309A05: 觀心むきの修行は。大智なる者に非ざれば。相談なり
Z14_0309A06: 難きは。定りしことなり。故に金剛錍私記には。自
Z14_0309A07: 博解。指心難當とあり。など是說を。用ゐられぬや。
Z14_0309A08: 問。今談の。京都旅宿の咄しを未究竟の喩との玉ふ。
Z14_0309A09: 若し爾らば。その究竟の法を喩ふること。如何。答。此
Z14_0309A10: れいかにも肝心なるべし。今これを喩へば。君より。
Z14_0309A11: 遠國の民をめさんに。一人は本より步行。叶はざる者
Z14_0309A12: から。偏にその御慈悲を仰ぎ奉りぬ。君。不便に思し
Z14_0309A13: めし。やがて御威光かゝりて。用途馬鞍なんど。たび
Z14_0309A14: ければ。いかにも大富長者の樣に。樂みて參りぬ。又
Z14_0309A15: 一人は。打ち任せては。君を賴まざりしかば。自の技
Z14_0309A16: 倆をはげみ。步にてゆく。莚ぎれ菅ごもや。笠わらん
Z14_0309A17: づまで營みつゝ。なを雨雪にも。路頭にさそらへば。
Z14_0309B01: さながら。野非人の如くなるべし。かくて。大內へ參
Z14_0309B02: りて後。步行の民は。たゞ下部とともに。並居せしに。
Z14_0309B03: かの御威光のかゝりし者は。左右なく。昇殿をゆり
Z14_0309B04: て。官職を得たるこそ。いと不思議なれ。さる程に。自
Z14_0309B05: の慈力に任て。往生するは。かの步にて行く民の如
Z14_0309B06: く。佛の弘願に仗て。往生するは。馬鞍にて。參る者の
Z14_0309B07: 如し。識心雖劣。至極。愚痴無智の輩を云。-託如來。本願勝力。還
Z14_0309B08: 能同彼地上菩薩。所變淨土。微妙廣大。淸淨莊嚴。此はこれ
Z14_0309B09: 實報莊嚴土なり。亦得見故と釋し玉ふ。千福の御釋。疑ふべか
Z14_0309B10: らず。又劣夫。愚痴なる稱名の人。轉輪王行別願の勝緣なり。飛騰乘
Z14_0309B11: 實報土なり。小兒。無智なる念佛の者。象馬車力他の殊勝力なり。
Z14_0309B12: 官職實報土なり。と說き玉ふ。曇鸞。道綽。善道等の御
Z14_0309B13: 喩へ。深く信順すべし。
Z14_0309B14: さて慧心の先德の○疑ひなきことなり。觀經。華嚴
Z14_0309B15: の偈を聞ひて。脫苦すべきこと。珍しからず。それ故
Z14_0309B16: 明幹が。華嚴の偈を聞し樣に。𤣥通律師も。無量壽經
Z14_0309B17: の。其佛本願力の偈を聞ひて。冥途にて。利益ありき。

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