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Z1440 即心念仏摘欺説 敬首 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0307A01: 如くなれば。誰かこれを疑はん。
Z14_0307A02: 事の念佛の人が○ゑをるまじ。 古人の。の玉ふ樣
Z14_0307A03: に。餓鬼は。水を火と見ることなれば。さ思はるゝが
Z14_0307A04: 尤にや。
Z14_0307A05: かやうに云を○しかるべし。凡夫往生の。變化巡禮
Z14_0307A06: やどなることは。佛地論等よりこのかた。古めきし談
Z14_0307A07: なり。何の珍しきことありて。勿體なしと。しかり申
Z14_0307A08: さん。何者。諸の法は。內に非ず。外に非ず。非外の故
Z14_0307A09: に諸佛の解脫は。心行に於て求め。自因なり。非內の故に。
Z14_0307A10: 衆生感あれば。諸佛護念し玉ふ。他緣なり。それ故。此方な
Z14_0307A11: どにては。唯その非外の。心佛にのみ。心うかれて。更
Z14_0307A12: に佛の威加に依て。微妙廣大なる。實報莊嚴を見る。
Z14_0307A13: 非內の益を知られぬ。無根の程を。笑止に存ずるばか
Z14_0307A14: りなり。天台大師云。但信心佛。不諸佛。威神所
Z14_0307A15: と。肇法師云。天澤無私。不枯木。佛威雖普不
Z14_0307A16: 無根と。よく〱此等を三復し玉へ。
Z14_0307A17: 此方の心○たきつけんとの心なり。左樣の心は。我
Z14_0307B01: 慢勝他の樣に聞へて。をとなしからず。なれば。たき
Z14_0307B02: つけずとも。たゞ卽心の利益のみを。談ぜられて。よ
Z14_0307B03: き筈なり。若し又。宗々立破の習ひにて。餘法と授量
Z14_0307B04: せられたくは。法相。三論。華嚴。眞言なんどゝも。相
Z14_0307B05: 待せらるべきに。ひたと淨家のみを。相手とし玉ふこ
Z14_0307B06: と。心あらん人は。偏に愛惡を以て。攻めらるゝ。人情
Z14_0307B07: かと存候べし。宜しからぬ心入なり。
Z14_0307B08: かやうの○あることなり。左樣に。淨家ばかりを簡
Z14_0307B09: み出して。相手とする。偏局なる校量は。經論の中に
Z14_0307B10: は。終に承り及ばず候。
Z14_0307B11: 事理の勝劣を○今此れを云なり。弘願の念佛は。事
Z14_0307B12: 理を以て。勝劣のならぬわけ。前々に申置けり。且つ
Z14_0307B13: 又。鄭丞相の。禪敎律法門。莫修淨土と。鏡大師の。
Z14_0307B14: 念佛功德。多六波羅密。百千萬倍と。元禪師の。念佛
Z14_0307B15: 敎門。勝過一切敎門と。の玉ふ味ひを。こまやかに學
Z14_0307B16: 得し。而して後ち。諸佛の威加を被むれば。不
Z14_0307B17: と云。案外なる法門を。信受せられよかし。

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