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Z1440 即心念仏摘欺説 敬首 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0306A01: みならず。總て一大藏敎の旨が。皆左樣なり。されば
Z14_0306A02: 吉水大師は。聖道門の修行は。智慧を極て。生死を離
Z14_0306A03: るとは。の玉ひぬ。然るに今。たゞ智慧くらべする。常
Z14_0306A04: 途の義に窟宅せられて。曾て未だ。非常の弘願門に。
Z14_0306A05: 立ち入られぬこそ。ほいなきわざなれ。 さて一河
Z14_0306A06: に。鬼魚等の異見を。擧らるゝこと。尤もなり。但し古
Z14_0306A07: 德。はやさき立て。この喩を擧て。餓鬼は。水を火と見
Z14_0306A08: 候。自力根性の。他力を知らせ玉はぬが。哀れに候と
Z14_0306A09: の玉ふ。この意は。專ら常途の義に滯り。智慧くらべ
Z14_0306A10: して。手柄に思ふ者を。餓鬼に喩へたり。この喩。殊に
Z14_0306A11: 的當せる歟。
Z14_0306A12: 此れに就て○云云。 一質異質等の義は。根本。印手
Z14_0306A13: 菩薩の。淨土論より出て。淨土宗のふるき沙汰なり
Z14_0306A14: と。云云
Z14_0306A15: 事の念佛の淨業力も○不思議廣大なるべし。 此等
Z14_0306A16: の義は。みな悉く。常途自因門の。了簡なれば。非常の
Z14_0306A17: 弘願門よりは。これを未究竟の談とす。前に示すが如
Z14_0306B01: し。さて。旣に自ら。不思議と許しながら。又あまり
Z14_0306B02: 勝れぬと。思議せらるゝは。何ごとぞや。これ卽ち。他
Z14_0306B03: 緣の不思議は。大勢力有て。思量の境に非れば。たゞ
Z14_0306B04: 仰信すべしと云わけを。ゆめ〱知られぬは。いと口
Z14_0306B05: をしきことになん。昔し元曉大師。他緣の不思議を。
Z14_0306B06: あまり勝れぬと。邪疑せる者を破して。性非質直。邪
Z14_0306B07: 聰我慢。薄道心人。不不思議智。而起邪思惟疑
Z14_0306B08: の玉へり。怖るべきかな。 さて此段も。悉く上下二
Z14_0306B09: 根を。混雜せられし故。老年の花を。稱名と見損じて。
Z14_0306B10: 觀行相似に。喩へざるは。これ老人の花にはあらで。
Z14_0306B11: 卽ち老耄の花ならん。然るに。老少の花を。喩ふるこ
Z14_0306B12: と。上の如しと。云云
Z14_0306B13: 猶譬へを以て○福力次第なり。この譬へ。常途未究
Z14_0306B14: 竟の談にては。能く聞へたり。それ故。めん〱の福
Z14_0306B15: 力次第とは。上の。智慧の勝劣にて。大いにかはると
Z14_0306B16: ある。自因の法に。よく合せり。
Z14_0306B17: 卽心念佛の人○疑ふべからず。四明の御釋は。前の

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