浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0306A01: | みならず。總て一大藏敎の旨が。皆左樣なり。されば |
Z14_0306A02: | 吉水大師は。聖道門の修行は。智慧を極て。生死を離 |
Z14_0306A03: | るとは。の玉ひぬ。然るに今。たゞ智慧くらべする。常 |
Z14_0306A04: | 途の義に窟宅せられて。曾て未だ。非常の弘願門に。 |
Z14_0306A05: | 立ち入られぬこそ。ほいなきわざなれ。 さて一河 |
Z14_0306A06: | に。鬼魚等の異見を。擧らるゝこと。尤もなり。但し古 |
Z14_0306A07: | 德。はやさき立て。この喩を擧て。餓鬼は。水を火と見 |
Z14_0306A08: | 候。自力根性の。他力を知らせ玉はぬが。哀れに候と |
Z14_0306A09: | の玉ふ。この意は。專ら常途の義に滯り。智慧くらべ |
Z14_0306A10: | して。手柄に思ふ者を。餓鬼に喩へたり。この喩。殊に |
Z14_0306A11: | 的當せる歟。 |
Z14_0306A12: | 此れに就て○云云。 一質異質等の義は。根本。印手 |
Z14_0306A13: | 菩薩の。淨土論より出て。淨土宗のふるき沙汰なり |
Z14_0306A14: | と。云云 |
Z14_0306A15: | 事の念佛の淨業力も○不思議廣大なるべし。 此等 |
Z14_0306A16: | の義は。みな悉く。常途自因門の。了簡なれば。非常の |
Z14_0306A17: | 弘願門よりは。これを未究竟の談とす。前に示すが如 |
Z14_0306B01: | し。さて。旣に自ら。不思議と許しながら。又あまり |
Z14_0306B02: | 勝れぬと。思議せらるゝは。何ごとぞや。これ卽ち。他 |
Z14_0306B03: | 緣の不思議は。大勢力有て。思量の境に非れば。たゞ |
Z14_0306B04: | 仰信すべしと云わけを。ゆめ〱知られぬは。いと口 |
Z14_0306B05: | をしきことになん。昔し元曉大師。他緣の不思議を。 |
Z14_0306B06: | あまり勝れぬと。邪疑せる者を破して。性非二質直一。邪 |
Z14_0306B07: | 聰我慢。薄道心人。不レ了二不思議智一。而起二邪思惟疑一と |
Z14_0306B08: | の玉へり。怖るべきかな。 さて此段も。悉く上下二 |
Z14_0306B09: | 根を。混雜せられし故。老年の花を。稱名と見損じて。 |
Z14_0306B10: | 觀行相似に。喩へざるは。これ老人の花にはあらで。 |
Z14_0306B11: | 卽ち老耄の花ならん。然るに。老少の花を。喩ふるこ |
Z14_0306B12: | と。上の如しと。云云 |
Z14_0306B13: | 猶譬へを以て○福力次第なり。この譬へ。常途未究 |
Z14_0306B14: | 竟の談にては。能く聞へたり。それ故。めん〱の福 |
Z14_0306B15: | 力次第とは。上の。智慧の勝劣にて。大いにかはると |
Z14_0306B16: | ある。自因の法に。よく合せり。 |
Z14_0306B17: | 卽心念佛の人○疑ふべからず。四明の御釋は。前の |