浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0305A01: | 猶又如二諸經說一○釋し玉へり。此文も。また明かに。 |
Z14_0305A02: | 觀行の身の上なれば。妙觀功著。三昩有レ成。見二彼勝 |
Z14_0305A03: | 身。所依之地。莊嚴之相一と。釋し玉へり。何とて。非二唯 |
Z14_0305A04: | 失一レ位。却墮二泥犂一の誡を思はれず。濫りに有敎無人を |
Z14_0305A05: | 以て。他緣を輕忽せらるゝや。 さて四明などの。御 |
Z14_0305A06: | 了簡は。かの佛地論等の說に同ふして。所謂常途の自 |
Z14_0305A07: | 因門なり。淨土他緣の。大不思議は。本より。此に殊な |
Z14_0305A08: | ればとて。先德すでに。唯除別緣とは。釋せられぬ。吉 |
Z14_0305A09: | 水大師云。われ淨土宗を立る意は。凡夫の。報土に生 |
Z14_0305A10: | るゝことを。示さんが爲なり。もし天台に依れば。凡 |
Z14_0305A11: | 夫。淨土に生るゝことを。許すに似たれども。淨土を |
Z14_0305A12: | 判ずること淺し。妙宗鈔等もし法相に依れば。淨土を判ず |
Z14_0305A13: | ること。深しといへども。凡夫の往生を許さず。義林章等諸 |
Z14_0305A14: | 宗の所談。異なりと雖ども。總て凡夫。報土に生るゝ |
Z14_0305A15: | ことを。許さゞる故に。これ自因の。未究竟によればなり。善導の釋義且く善導 |
Z14_0305A16: | を擧て道綽千福の。師資を攝す。に依て。淨土宗を立る時。乃ち凡夫。 |
Z14_0305A17: | 報土に生るゝこと。顯るゝなり。これ他緣の。不思議によればなり。乃至。 |
Z14_0305B01: | もし別の宗を。立せずは。凡夫。報土に生ずる義も隱 |
Z14_0305B02: | れ。本願の不思議此また自因を。思議とし。本願を。不思議とす。も。顯難きな |
Z14_0305B03: | りと。これ則ち。古來諸家の立る。常途の自因門をす |
Z14_0305B04: | てゝ。別に曇鸞。道綽。光明。千福等に依て。他緣不思 |
Z14_0305B05: | 議門を。建立し玉へるなり。然るに今談は。大通下種 |
Z14_0305B06: | の時分より。とかく未究竟の法門に。因緣あるやら |
Z14_0305B07: | ん。か樣の說を聞れても。つや〱信向なき。博地の |
Z14_0305B08: | 精衛にて。はかなく。自因の木石を衘んで。他緣の深 |
Z14_0305B09: | 廣にして涯底なき。東海を填めむと。めさるゝは。但 |
Z14_0305B10: | その溺死せられんことの。悲しきなり。さて中本は |
Z14_0305B11: | 勝れ。大本小本は。劣れりと。差別するは。但し台家 |
Z14_0305B12: | の。さばきなるべし。地緣を仰ぐ。淨家などは。前に申 |
Z14_0305B13: | す通り。三本ともに。彌陀の利益を說る。御經なれば |
Z14_0305B14: | その功德一致にして。更に勝劣なしと。立申候。 |
Z14_0305B15: | 如レ此同じ淨土が○但だ空のみと見る。此段には。谷 |
Z14_0305B16: | 響。摧邪の邪味あり。さて。智慧の勝劣にて。大いに |
Z14_0305B17: | かはるとは。此全く常途自因の意なれば。獨り台家の |