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Z1440 即心念仏摘欺説 敬首 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0304A01: 喩へば世間の。上臈下臈にも。重々あり。上臈の極り
Z14_0304A02: は。一の人の御事なり。下臈のはては。百姓なり。一の
Z14_0304A03: 人より以下を。下臈と申せばとて。さては。百姓やと。
Z14_0304A04: 心得べきに非ず。百姓に望めて。侍なむどを。上臈と
Z14_0304A05: 申せばとて。さては。一の人の御事かと。思ふべから
Z14_0304A06: ざるが如し。今もまた爾り。不思議の極りは。殊勝の
Z14_0304A07: 他緣なり。可思議のはては三藏なり。他緣門より以下
Z14_0304A08: を。可思議と申せばとて。さては。三藏やと。心得べき
Z14_0304A09: に非ず。三藏に望めて。圓敎なむどを。不思議と申せ
Z14_0304A10: ばとて。さては。殊勝の他緣かと。思ふべからざるな
Z14_0304A11: り。例せば圓敎よりは。別の十回向を貶して。理卽と
Z14_0304A12: 名け。密敎よりは。顯の入れども識らざるを貶して。
Z14_0304A13: 外道と呼が如し。これに準ずるに。他緣より。自因の
Z14_0304A14: 法門を奪て。可思議と名けんに。何の不可かこれ有
Z14_0304A15: ん。故云八萬四千法門。是可思議。念佛法門。不可思議
Z14_0304A16: なりと。又云。十方三世佛。阿彌陀第一と。それ然らざ
Z14_0304A17: らんや。然るに。此等の說。源は佛說に出たり。無量壽
Z14_0304B01: 經云。十方恒沙。諸佛如來。皆共讃歎無量壽佛。威神
Z14_0304B02: 功德。不可思議
Z14_0304B03:   諸佛は。他緣の殊勝。不可思議にして。餘法の可
Z14_0304B04:   思議に。越たるを。讃歎し玉ふなり。
Z14_0304B05: と又云。無量壽佛。威神光明。最尊第一。他緣門なり。諸佛光
Z14_0304B06: 明所自因門なり。と。これ必ず他緣の。自因に勝れ
Z14_0304B07: て。その不思議の中の。不思議なること。ます〱明
Z14_0304B08: かならずや。
Z14_0304B09: 因て四明尊者○ちがへりとなり。四明の。永異と仰
Z14_0304B10: せられしは。卽ち上の。進功觀成ぜる。五品の人なり。
Z14_0304B11: 因て。如此土人等と云て。華嚴及び諸大乘會の機類。
Z14_0304B12: 身土の難思を。感見するの例を引たるは。隨功感土。
Z14_0304B13: すでに明かならずや。その未入品の者は。たゞこれ四
Z14_0304B14: 淨土を。具せることのみを知れば。久遠の益なるべ
Z14_0304B15: し。何ぞ直に。三土を見ることを論ぜんや。故に實報
Z14_0304B16: の莊嚴を見る。卽心觀佛は。今時悠々たる。平凡夫の
Z14_0304B17: 修行には非るなり。

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