浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0304A01: | 喩へば世間の。上臈下臈にも。重々あり。上臈の極り |
Z14_0304A02: | は。一の人の御事なり。下臈のはては。百姓なり。一の |
Z14_0304A03: | 人より以下を。下臈と申せばとて。さては。百姓やと。 |
Z14_0304A04: | 心得べきに非ず。百姓に望めて。侍なむどを。上臈と |
Z14_0304A05: | 申せばとて。さては。一の人の御事かと。思ふべから |
Z14_0304A06: | ざるが如し。今もまた爾り。不思議の極りは。殊勝の |
Z14_0304A07: | 他緣なり。可思議のはては三藏なり。他緣門より以下 |
Z14_0304A08: | を。可思議と申せばとて。さては。三藏やと。心得べき |
Z14_0304A09: | に非ず。三藏に望めて。圓敎なむどを。不思議と申せ |
Z14_0304A10: | ばとて。さては。殊勝の他緣かと。思ふべからざるな |
Z14_0304A11: | り。例せば圓敎よりは。別の十回向を貶して。理卽と |
Z14_0304A12: | 名け。密敎よりは。顯の入れども識らざるを貶して。 |
Z14_0304A13: | 外道と呼が如し。これに準ずるに。他緣より。自因の |
Z14_0304A14: | 法門を奪て。可思議と名けんに。何の不可かこれ有 |
Z14_0304A15: | ん。故云八萬四千法門。是可思議。念佛法門。不可思議 |
Z14_0304A16: | なりと。又云。十方三世佛。阿彌陀第一と。それ然らざ |
Z14_0304A17: | らんや。然るに。此等の說。源は佛說に出たり。無量壽 |
Z14_0304B01: | 經云。十方恒沙。諸佛如來。皆共讃二歎無量壽佛。威神 |
Z14_0304B02: | 功德。不可思議一 |
Z14_0304B03: | 諸佛は。他緣の殊勝。不可思議にして。餘法の可 |
Z14_0304B04: | 思議に。越たるを。讃歎し玉ふなり。 |
Z14_0304B05: | と又云。無量壽佛。威神光明。最尊第一。他緣門なり。諸佛光 |
Z14_0304B06: | 明所レ不レ能レ及自因門なり。と。これ必ず他緣の。自因に勝れ |
Z14_0304B07: | て。その不思議の中の。不思議なること。ます〱明 |
Z14_0304B08: | かならずや。 |
Z14_0304B09: | 因て四明尊者○ちがへりとなり。四明の。永異と仰 |
Z14_0304B10: | せられしは。卽ち上の。進レ功觀成ぜる。五品の人なり。 |
Z14_0304B11: | 因て。如此土人等と云て。華嚴及び諸大乘會の機類。 |
Z14_0304B12: | 身土の難思を。感見するの例を引たるは。隨功感土。 |
Z14_0304B13: | すでに明かならずや。その未入品の者は。たゞこれ四 |
Z14_0304B14: | 淨土を。具せることのみを知れば。久遠の益なるべ |
Z14_0304B15: | し。何ぞ直に。三土を見ることを論ぜんや。故に實報 |
Z14_0304B16: | の莊嚴を見る。卽心觀佛は。今時悠々たる。平凡夫の |
Z14_0304B17: | 修行には非るなり。 |