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Z1440 即心念仏摘欺説 敬首 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0303A01: ざる者をや。何ぞ老少の見を論ずるに及ばん。然る
Z14_0303A02: に。今談の趣は。斷惑證理の。聖人の見玉ふ花を。三惑
Z14_0303A03: 全在の凡夫も。見る樣にとりなさる。さりとては。不
Z14_0303A04: 審なり。次に奪てこれをいはゞ。淨土宗には。彌陀に
Z14_0303A05: 三身あり。法報化なり。淨土に三種あり。亦法報化な
Z14_0303A06: り。然るに。見思未斷のあら凡夫。ひたすら仰信して。
Z14_0303A07: 稱名すれば。阿彌陀佛。別願殊勝の。增上緣力を以て
Z14_0303A08: の故に。曾て思量一念の。功をからざれども。めでた
Z14_0303A09: き。實報無障碍の。淨土に生じて。六識縱橫自然に悟
Z14_0303A10: るなり。まことに佛智。不思議智。無等無倫最上勝智
Z14_0303A11: は。すでに唯佛獨明了と。說せ玉ひて。三賢十聖も。は
Z14_0303A12: かられぬ境界なれば。其上の異質も。成ぜずして。搜
Z14_0303A13: 𤣥卽冥なるに由て。一たび彼の界に入れば。橫に三身
Z14_0303A14: 三土の。相好莊嚴を。快く拜見仕ることは。これ蓋し
Z14_0303A15: 難信の法なればなり。喩へば劣夫の。轉輪王に從ひぬ
Z14_0303A16: れば。便ち虛空に乘じて。神通乘なり。飛騰自然なるが如し。
Z14_0303A17: 豈に不思議中の。不思議に非ずや。さて極樂を實報
Z14_0303B01: とし。凡夫の入報を許し。稱名にて。上品に生ずる。こ
Z14_0303B02: の三件は。常途思議の。自因門にては。堅くこれを許
Z14_0303B03: されぬ。大事なりしを。非常難思の。他緣門にては。さ
Z14_0303B04: て快く。これを許せり。よつて他緣門よりは。自因門
Z14_0303B05: を貶して。未究竟の敎。三件を許さぬが故に。可思議の法他緣に非るが故に。
Z14_0303B06: とは。云なめり。故安樂集には。古舊相傳。皆云阿彌
Z14_0303B07: 陀佛。是化身。土亦是化土。此爲大失也と釋し。念佛
Z14_0303B08: 鏡には。如來雖八萬四千法門。唯有念佛一門。是
Z14_0303B09: 最上法。實非餘門所一レ及也と說き。歸元直指には。念佛
Z14_0303B10: 敎門。勝過一切敎門也と示すも。みなこの意なり。天
Z14_0303B11: 竺の大論。なを其類に非ず。群疑論等の意。眞丹の人師。何ぞ
Z14_0303B12: 煩しく云に及はん。安樂集等の意。これ誇耀には非ず。法相然
Z14_0303B13: ればなり。同性經等の意。況やこの瑣々たる談義。何ぞ論ずる
Z14_0303B14: に足らん。問。圓は。妙の別名なり。妙は。不可思議を
Z14_0303B15: 名く。何ぞ台家等を可思議と云や。答。もし自因に依
Z14_0303B16: て。これを云ば。法華は。兼對の圓に非れば。これを不
Z14_0303B17: 可思議とす。若し他緣に望むれば。なを可思議なり。

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