浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0303A01: | ざる者をや。何ぞ老少の見を論ずるに及ばん。然る |
Z14_0303A02: | に。今談の趣は。斷惑證理の。聖人の見玉ふ花を。三惑 |
Z14_0303A03: | 全在の凡夫も。見る樣にとりなさる。さりとては。不 |
Z14_0303A04: | 審なり。次に奪てこれをいはゞ。淨土宗には。彌陀に |
Z14_0303A05: | 三身あり。法報化なり。淨土に三種あり。亦法報化な |
Z14_0303A06: | り。然るに。見思未斷のあら凡夫。ひたすら仰信して。 |
Z14_0303A07: | 稱名すれば。阿彌陀佛。別願殊勝の。增上緣力を以て |
Z14_0303A08: | の故に。曾て思量一念の。功をからざれども。めでた |
Z14_0303A09: | き。實報無障碍の。淨土に生じて。六識縱橫自然に悟 |
Z14_0303A10: | るなり。まことに佛智。不思議智。無等無倫最上勝智 |
Z14_0303A11: | は。すでに唯佛獨明了と。說せ玉ひて。三賢十聖も。は |
Z14_0303A12: | かられぬ境界なれば。其上の異質も。成ぜずして。搜 |
Z14_0303A13: | 𤣥卽冥なるに由て。一たび彼の界に入れば。橫に三身 |
Z14_0303A14: | 三土の。相好莊嚴を。快く拜見仕ることは。これ蓋し |
Z14_0303A15: | 難信の法なればなり。喩へば劣夫の。轉輪王に從ひぬ |
Z14_0303A16: | れば。便ち虛空に乘じて。神通乘なり。飛騰自然なるが如し。 |
Z14_0303A17: | 豈に不思議中の。不思議に非ずや。さて極樂を實報 |
Z14_0303B01: | とし。凡夫の入報を許し。稱名にて。上品に生ずる。こ |
Z14_0303B02: | の三件は。常途思議の。自因門にては。堅くこれを許 |
Z14_0303B03: | されぬ。大事なりしを。非常難思の。他緣門にては。さ |
Z14_0303B04: | て快く。これを許せり。よつて他緣門よりは。自因門 |
Z14_0303B05: | を貶して。未究竟の敎。三件を許さぬが故に。可思議の法他緣に非るが故に。 |
Z14_0303B06: | とは。云なめり。故安樂集には。古舊相傳。皆云二阿彌 |
Z14_0303B07: | 陀佛。是化身。土亦是化土一。此爲二大失一也と釋し。念佛 |
Z14_0303B08: | 鏡には。如來雖レ說二八萬四千法門一。唯有二念佛一門一。是 |
Z14_0303B09: | 最上法。實非二餘門所一レ及也と說き。歸元直指には。念佛 |
Z14_0303B10: | 敎門。勝二過一切敎門一也と示すも。みなこの意なり。天 |
Z14_0303B11: | 竺の大論。なを其類に非ず。群疑論等の意。眞丹の人師。何ぞ |
Z14_0303B12: | 煩しく云に及はん。安樂集等の意。これ誇耀には非ず。法相然 |
Z14_0303B13: | ればなり。同性經等の意。況やこの瑣々たる談義。何ぞ論ずる |
Z14_0303B14: | に足らん。問。圓は。妙の別名なり。妙は。不可思議を |
Z14_0303B15: | 名く。何ぞ台家等を可思議と云や。答。もし自因に依 |
Z14_0303B16: | て。これを云ば。法華は。兼對の圓に非れば。これを不 |
Z14_0303B17: | 可思議とす。若し他緣に望むれば。なを可思議なり。 |