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Z1440 即心念仏摘欺説 敬首 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0301A01: の如きは。蓋し結緣のみ。所謂大而不要。高而不切と
Z14_0301A02: は。是ならずや。然るに。名字の人も。煩惱を斷ぜずし
Z14_0301A03: て。𣵀槃に入るやうなれども。此はこれ。修觀の相に
Z14_0301A04: て。觀成に非れば。猶虛妄に屬す。論云。凡有所見。皆
Z14_0301A05: 是虛妄。若無所見。乃名見諦と。卽ち其義なり。若し
Z14_0301A06: 爾らば。何とて妙𤣥に。寂滅無生。亦應下と云や。
Z14_0301A07: 答。これ姑く。其名の通ずる。聞慧の者を云なりけり。
Z14_0301A08: 證理には非ず。ゆへに荆溪云。故約惑滅。得無生名
Z14_0301A09: と。是なり。さて。大地を覆へすとのこと。此また遮
Z14_0301A10: 性に對して。無明を滅するの。喩へなれば。證理見諦
Z14_0301A11: の。懺悔の功なるべし。今何ぞ博地に向ひて。濫りに
Z14_0301A12: これを引るゝや。さて。觀念理持の。卽心念佛とは。
Z14_0301A13: 觀念の卽心念佛は。聞へたれども。理持の卽心念佛
Z14_0301A14: は。聞へず。若し左樣に。觀念持名。混沌として行ぜ
Z14_0301A15: ば。何が故ぞ。幽溪大師は。正行有二一稱名。二觀想
Z14_0301A16: との玉ふや。何が故ぞ。旁觀には。前段は。觀佛の事理
Z14_0301A17: を拂ひ。後段は。稱名の理持を遮する故に。又と云な
Z14_0301B01: りと云。台宗綱要には。往生の要行は。親念持名の外
Z14_0301B02: にはなし。其觀念に付て。且く觀佛を云はば。乃至約
Z14_0301B03: 心觀佛とも卽心念佛とも申なり。さて持名とは。これ
Z14_0301B04: に付ても。事持理持あり等と云て。みな明かに。觀念
Z14_0301B05: と理持とを分て。以て二行とするや。是れ則ち。進で
Z14_0301B06: は先達に乖背し。退ては自語に相違し玉ふこと。げに
Z14_0301B07: は心に的解なく。時に隨て改轉せらるゝに由てなり。
Z14_0301B08: 初學の迷瞑。甚だ傷むべし。 さて又懺悔にも。段々
Z14_0301B09: ありて。その根緣を逐て。修入同じからざれば。左樣
Z14_0301B10: にかた付て。無生のみを申されずと。時機相應なる。
Z14_0301B11: 稱名懺悔にて。三世の罪過を。滅する利益をも。勸め
Z14_0301B12: られよかし。理觀に入らぬ。有相安樂行にても。上妙
Z14_0301B13: の色像を。見ればなり。因て佛も。我れこの世界に於
Z14_0301B14: て。もし實身を以て現れなば。一人として。我化を受
Z14_0301B15: ることなからんと。仰せられ。或は。終日法を說けど
Z14_0301B16: も。人をして。悟らしむることなきは。卽ちこれ戱論
Z14_0301B17: とも。說せ玉ふ。若し然らば。何ぞ偏に。無生を談じ

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