浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0301A01: | の如きは。蓋し結緣のみ。所謂大而不レ要。高而不レ切と |
Z14_0301A02: | は。是ならずや。然るに。名字の人も。煩惱を斷ぜずし |
Z14_0301A03: | て。𣵀槃に入るやうなれども。此はこれ。修觀の相に |
Z14_0301A04: | て。觀成に非れば。猶虛妄に屬す。論云。凡有二所見一。皆 |
Z14_0301A05: | 是虛妄。若無二所見一。乃名二見諦一と。卽ち其義なり。若し |
Z14_0301A06: | 爾らば。何とて妙𤣥に。寂滅無生。亦應レ通レ下と云や。 |
Z14_0301A07: | 答。これ姑く。其名の通ずる。聞慧の者を云なりけり。 |
Z14_0301A08: | 證理には非ず。ゆへに荆溪云。故約二惑滅一。得二無生名一 |
Z14_0301A09: | と。是なり。さて。大地を覆へすとのこと。此また遮 |
Z14_0301A10: | 性に對して。無明を滅するの。喩へなれば。證理見諦 |
Z14_0301A11: | の。懺悔の功なるべし。今何ぞ博地に向ひて。濫りに |
Z14_0301A12: | これを引るゝや。さて。觀念理持の。卽心念佛とは。 |
Z14_0301A13: | 觀念の卽心念佛は。聞へたれども。理持の卽心念佛 |
Z14_0301A14: | は。聞へず。若し左樣に。觀念持名。混沌として行ぜ |
Z14_0301A15: | ば。何が故ぞ。幽溪大師は。正行有レ二一稱名。二觀想 |
Z14_0301A16: | との玉ふや。何が故ぞ。旁觀には。前段は。觀佛の事理 |
Z14_0301A17: | を拂ひ。後段は。稱名の理持を遮する故に。又と云な |
Z14_0301B01: | りと云。台宗綱要には。往生の要行は。親念持名の外 |
Z14_0301B02: | にはなし。其觀念に付て。且く觀佛を云はば。乃至約 |
Z14_0301B03: | 心觀佛とも卽心念佛とも申なり。さて持名とは。これ |
Z14_0301B04: | に付ても。事持理持あり等と云て。みな明かに。觀念 |
Z14_0301B05: | と理持とを分て。以て二行とするや。是れ則ち。進で |
Z14_0301B06: | は先達に乖背し。退ては自語に相違し玉ふこと。げに |
Z14_0301B07: | は心に的解なく。時に隨て改轉せらるゝに由てなり。 |
Z14_0301B08: | 初學の迷瞑。甚だ傷むべし。 さて又懺悔にも。段々 |
Z14_0301B09: | ありて。その根緣を逐て。修入同じからざれば。左樣 |
Z14_0301B10: | にかた付て。無生のみを申されずと。時機相應なる。 |
Z14_0301B11: | 稱名懺悔にて。三世の罪過を。滅する利益をも。勸め |
Z14_0301B12: | られよかし。理觀に入らぬ。有相安樂行にても。上妙 |
Z14_0301B13: | の色像を。見ればなり。因て佛も。我れこの世界に於 |
Z14_0301B14: | て。もし實身を以て現れなば。一人として。我化を受 |
Z14_0301B15: | ることなからんと。仰せられ。或は。終日法を說けど |
Z14_0301B16: | も。人をして。悟らしむることなきは。卽ちこれ戱論 |
Z14_0301B17: | とも。說せ玉ふ。若し然らば。何ぞ偏に。無生を談じ |