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Z1440 即心念仏摘欺説 敬首 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0296A01: 是故。各隨所樂。而修其行者。必疾得解脫也と。仰
Z14_0296A02: せられ。吉水大師は。願西方行者。各隨其意樂。或讀
Z14_0296A03: 誦法華。以爲往生業。或讀誦華嚴。以爲往生業。或受
Z14_0296A04: 持讀誦遮那敎王。及以諸尊法等。以爲往生業。或解
Z14_0296A05: 說書寫般若方等。及以𣵀槃經等。以爲往生業。是則淨
Z14_0296A06: 土宗。觀無量壽經意也と。說せ玉へり。此等の御意は。
Z14_0296A07: 禀識の機緣が。一に非れば。諸佛の敎行も。塵沙の如
Z14_0296A08: し。故に天台眞言等の。有緣の人々は。面々の宗の意
Z14_0296A09: を。明かに知て。能く勤められよ。これが淨土宗の意
Z14_0296A10: なりとのことなるに。など此等をば。早く拜見せられ
Z14_0296A11: ざりしぞ。殘念なことかな。又復吉水大師は。已に諸
Z14_0296A12: 宗を大觀して。念佛を行ずるに依て。法相三論も。隱
Z14_0296A13: 沒し。天台華嚴も。廢退すること。なじかはあるべき。
Z14_0296A14: 此をも謗ずべからず。彼をも妬むべからず。共にみな
Z14_0296A15: 佛法なり。互に偏執することなかれと。垂示し玉ふ。
Z14_0296A16: 權化の宗旨を。押して偏執する樣な。失を付らるゝこ
Z14_0296A17: と。何とも迷惑に存候。然れば。無過の中に。過を求め
Z14_0296B01: らるゝ。自損のみに非ず。抑も台家の。初心を惑し玉
Z14_0296B02: ふ。損他の程が悲きなり。
Z14_0296B03: 淨土宗は○甚だすくなし。 此段は。摧邪の邪味あ
Z14_0296B04: り。さて。其人のあしきは。其法の時機相應には。か
Z14_0296B05: まふまじき樣に存ず。不審なり。又その多少は。存ぜ
Z14_0296B06: ねども。淨土宗となりて。眞實に念佛申さゞらんは。
Z14_0296B07: なるほど。慚愧懺悔。仕るべきことに候。但し古き記
Z14_0296B08: 錄を案ずるに。山法師達の。動もすれば。弓箭刀杖を
Z14_0296B09: 事として。無量の衆生を殺害し。三寶の殿堂を。燒き
Z14_0296B10: 拂はれ候が。それでも眞實に。一心三觀を勤ると。申
Z14_0296B11: すにて候や。其上今談は。他家へ隱密の由なれば。た
Z14_0296B12: ゞ台家への勸めなり。然らば。他家のことよりは。か
Z14_0296B13: の山法師達の。惡行を停止せらるゝが。第一にてはあ
Z14_0296B14: るまじくや。
Z14_0296B15: 淨土宗の僧に○前のことなり。此も何とやら。自是
Z14_0296B16: 非他の人情にて。推し付けがましき。申され樣なれど
Z14_0296B17: も。撥無せぬ淨土宗などは。また慚愧仕るべきなり。

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