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Z1440 即心念仏摘欺説 敬首 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0294A01: されしに。今の人は。稱名の一行を。そのまゝ一切行
Z14_0294A02: なりと。見ることはならず。さて〱古今。間の有る
Z14_0294A03: ものかな。さて日本國は。とりわき。稱名念佛が。時
Z14_0294A04: 機相應なりと云ふ義は。これもと。三論宗より出た
Z14_0294A05: り。決定往生集云。又彼彌陀。及二菩薩。先於此界。發
Z14_0294A06: 菩提心。故於此土。偏有因緣。加之。白馬之敎法。初傳
Z14_0294A07: 之時。彌陀靈像。早來於此矣。救世菩薩。迹託於上宮
Z14_0294A08: 荒陵精舍。臺當於東門。事緣相會。行業可作。彌陀行
Z14_0294A09: 者。不察。乃至。良以西方敎門。運數當時等と。
Z14_0294A10: 是なり。この義。尤も道理に叶て。たふときことなれ
Z14_0294A11: ば。とて。淨土宗にも。とも〲に稱揚弘通。いたすと
Z14_0294A12: かや。か樣のことを。知られぬ故。とかく淨土宗の。私
Z14_0294A13: ごとぞと思はれて。腹立し玉ふなり。さて。當今は
Z14_0294A14: 末法なれば。時機相應は。申に不及。其上。十方諸佛
Z14_0294A15: の中に於て。いかなるわけにや。獨り彌陀如來のみ。
Z14_0294A16: 此娑婆の衆生と。因緣深く。ましませば。日本國は。勿
Z14_0294A17: 論のこと。天竺震旦。南蠻。北狄までも。みな悉く。彼
Z14_0294B01: の佛名を稱ふるが。天然自然に。相應なる法なりと。
Z14_0294B02: 古今儒釋の智者達。敎導し玉ふ故。あり難さの餘り。
Z14_0294B03: 淨土宗には。別して時機相應と。勸め申すことにはな
Z14_0294B04: りぬ。故に天台大師云。問。十方佛土中。何須徧念西
Z14_0294B05: 方。阿彌陀佛耶。答。釋迦大師。一代說法。處々聖敎。
Z14_0294B06: 唯勸衆生。專心偏念阿彌陀佛。當知彼佛。與此世界
Z14_0294B07: 偏有因緣。何以得知。無量壽經云。末世法滅之時。特
Z14_0294B08: 此經。百年在世接引衆生等と。道綽禪師云。但阿
Z14_0294B09: 彌陀佛。與觀音。大勢至。先發心時。從此界去。於
Z14_0294B10: 衆生。偏是有緣。是故釋迦。處々難歸と。千福禪師云。
Z14_0294B11: 佛敎令阿彌陀佛。卽見十方。一切諸佛此佛。特
Z14_0294B12: 娑婆衆生有緣。先於此佛。專心稱念。三昩易成。
Z14_0294B13: 障滅罪。光明遍照。見十方佛也と。道鏡大師云。十
Z14_0294B14: 方佛中。彌陀佛與衆生。結緣最深と。荆溪大師云。問。
Z14_0294B15: 同居類多。何必極樂。答。敎說多故。由物機故。是攝
Z14_0294B16: 生故。令專注故。宿緣厚故。約多分この六故の義。いとたふとし。
Z14_0294B17: と。圭峯大師云。彌陀願重。偏接娑婆と。慧心先德云。

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