浄土宗全書を検索する
AND検索:複数の検索語をスペースで区切って入力すると、前後2行中にそれらを全て含む箇所を検索します。
巻_頁段行 | 本文 |
---|---|
Z14_0293A01: | 釋迦末世。彌陀施レ化。幸生二此時一。知二機緣熟一。念佛往生。 |
Z14_0293A02: | 何有レ疑乎。時機猶生。行業難レ熟と。如レ是なれば淨土 |
Z14_0293A03: | 宗の口稱を以て。時機相應と仕るは。誠に天下の公義 |
Z14_0293A04: | ならずや。不下以二私好一害中公義上とは。古人の敎へなる |
Z14_0293A05: | に。いかなれば今談は。不幸に。この公義をもどき。左 |
Z14_0293A06: | 樣ばかりでなき筈とて。ひたふる。これを嫌はるゝ |
Z14_0293A07: | や。 |
Z14_0293A08: | 時機相應と云へども○間有レ之ことなり。 此また摧 |
Z14_0293A09: | 邪。谷響の邪味あり。 さて。日本が。みな淨土宗に |
Z14_0293A10: | も。ならねども。しかし。淨土宗の意は。日本はさて置 |
Z14_0293A11: | き。天竺震旦。十方世界。をしなへて。當今は末法なれ |
Z14_0293A12: | ば。皆悉く稱名を勤むるが。時機相應ぞと。立るなり。 |
Z14_0293A13: | 因て龍舒居士は。能勸二一人一修二淨土一。以二此善根一。莊二嚴 |
Z14_0293A14: | 往生功德一。可也。況勸二五人十人一乎。又況使二其受レ勸者。 |
Z14_0293A15: | 轉以相勸。遞相繼續。而不一レ已乎。如レ是。則西方之說。 |
Z14_0293A16: | 可レ遍二天下一と云。大慈菩薩は。勸至二十餘人一。福德已無 |
Z14_0293A17: | 量。如レ勸二百與一レ千。名爲二眞菩薩一。又能過二萬數一。卽是阿 |
Z14_0293B01: | 彌陀との玉へり。又一元禪師は。他の有緣なる。龍華 |
Z14_0293B02: | 勝會を廢却して。强て稱名を。勤められしも。蓋しこ |
Z14_0293B03: | れ時機相應なるを。以ての故なり。さればとて。世界 |
Z14_0293B04: | 中が。みな淨土宗になれと。云ことには非ず。慈恩大 |
Z14_0293B05: | 師。智覺禪師などの。御勸化の意ならば。何宗に依ら |
Z14_0293B06: | ず。宗敎の學問は。兎も角も。修行邊は。みな稱名往生 |
Z14_0293B07: | すべしとの。御ことなり。かの霖禪師の。吾志在二禪宗一。 |
Z14_0293B08: | 而行在二淨土一との玉ふも。卽ち其意なるべし。是れ乃 |
Z14_0293B09: | ち稱名は固より金口の。御褒美あそばせし。普接三根 |
Z14_0293B10: | の。妙法なれば。彌よ時機に約して。諸宗一同に。勤行 |
Z14_0293B11: | すべきこと。天下の公義なり。か樣のわけを呑込まれ |
Z14_0293B12: | ず。諸宗もと一佛の法なり。一行卽ち一切行なりと |
Z14_0293B13: | 云。大觀の眼なく。稱名は。時機相應と云を聞て。こは |
Z14_0293B14: | 淨土宗の。私かと惑ふ。ねたさに。さま〲の妄執が。 |
Z14_0293B15: | 生じけるなり。若し淨土宗の私ならば。何とて他宗の |
Z14_0293B16: | 歷々たる。慈恩。智覺等の大祖師。これを勸誘し玉は |
Z14_0293B17: | んや。古の人は。馬のあしをさへ。卽ち阿字と。聞きな |