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Z1440 即心念仏摘欺説 敬首 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0290A01: かば。さても敎下に。死在せらるゝ。鈍な人かなと。笑
Z14_0290A02: ふべし。 さて千代野は。敎外の悟りなれば。敎者な
Z14_0290A03: どの。折め正しく。禮儀三百。威儀三千の法を設け上
Z14_0290A04: 下混ぜぬ樣にとて。君臣凡聖を分ち。位を定て修行す
Z14_0290A05: る悟りとは。大に殊なり。故に。禪家は兎も角も。若し
Z14_0290A06: 敎家より。これを勘辨せば。千代野などは。六卽を以
Z14_0290A07: て。定めぬことなれば。其悟りの程が。凡じややら。聖
Z14_0290A08: じややら。しかとは極め難し。譬へば。種姓のしれぬ。
Z14_0290A09: 山がつが。殿上の改務を。語るが如し。咄を聞けば。殿
Z14_0290A10: 上のことなれども。いかにしても。種姓が知れぬ程
Z14_0290A11: に。一の人。左右の大臣とも。云れず。又檢非違使。藏
Z14_0290A12: 人とも。申されねば。たゞ山がつの事知と。名け置が
Z14_0290A13: 如し。かの馬鳴。龍樹。南岳。天台等の如き。みな次位
Z14_0290A14: を知て。悟り玉へるは。譬へば。種姓の知れたる顯官
Z14_0290A15: の。本職の政事を。語るが如し。故に其位。或は五品。
Z14_0290A16: 十信。初地。八地なんど。明かに知るゝなり。千代野な
Z14_0290A17: どは。彼の山がつの事知にて。そこのぬけたる。咄は
Z14_0290B01: すれども。其位は知れ難し。因て前に。禪人格外の鈴
Z14_0290B02: 鎚などは。次位を立る。修行の例に。なりかぬべしと
Z14_0290B03: 云へるは。是のことなり。よく〱了知すべし。
Z14_0290B04: 此なれば○能く悟るものなり。 貴女の思惟。橘
Z14_0290B05: 后。賤婦の千代野。文盲なる男の。からうすふみ。獵人
Z14_0290B06: とは。思はるれど。思惟は。初地の大菩薩にて。餘はみ
Z14_0290B07: な。敎外の悟りなれば。敎內にて。愚人を勸る例には。
Z14_0290B08: 一向とり合ぬこと。上の如し。
Z14_0290B09: 今の世とても○にてはなし。 尤も左も有んかなれ
Z14_0290B10: ども。たゞしそれは。並頭の蓮なり。烏曇の華なり。彈
Z14_0290B11: 々章にの玉ふ通り。今の世に。眞修の人は。麟角の如
Z14_0290B12: くなれば。其悟りを開くことも。彌よ萬中無一なら
Z14_0290B13: ん。さて。善き敎へを受けずとも。器量なる人は。無
Z14_0290B14: 師獨悟すべし。天台は。自解佛乘し。蒲州には。不聽泰
Z14_0290B15: あり。縱ひ善き敎へを受けたりとも。智慧明らかに。
Z14_0290B16: ならぬも有りなん。四明。慈雲。傳敎。慈覺。樂天。天覺
Z14_0290B17: 等の人々は。一生の內。五品十信の。智慧明らかにな

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