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Z1440 即心念仏摘欺説 敬首 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0289A01: 天かに別なり。されば。禪流の無修無證の。悟りと云
Z14_0289A02: 者を以ては。敎家の位次を定る修行の例と。せられぬ
Z14_0289A03: なり。今談。か樣のわけを。すきと呑込れず。たゞ賤き
Z14_0289A04: 者にても。悟れば悟らるゝと云。證據にのみ。心があ
Z14_0289A05: りて。六卽を立る敎者には。龜を證して鱉と成す。決
Z14_0289A06: して不相應のことなりと云處に。氣がつかれぬなり。
Z14_0289A07: さて。からうすふみの中にても。本性を見しは。たゞ
Z14_0289A08: 盧行者一人なり。かりびとの中にても。自射を合點せ
Z14_0289A09: しは。たゞ鞏慧藏一人のみ。かく希代の。大祖師とな
Z14_0289A10: る。上根利智の人を以て。末世の愚痴無智の者の。指
Z14_0289A11: 南とせらるゝ段。不審なり。かるき病に。重き藥をあ
Z14_0289A12: たゆる。下手醫者にてはなしや。
Z14_0289A13: 日本の橘皇后は○義理の付けられぬことなり。 檀
Z14_0289A14: 林皇后は。已に頓旨を發明し玉ひて。義空禪師。弘法
Z14_0289A15: 大師などゝ。等伍をなせる。再來の人なり。況や。生て
Z14_0289A16: は學舘をたて。崩じては中野にすつ。是また凡人の。
Z14_0289A17: 境界に非ず。何ぞ罪障深重なる者の。例とすべけん
Z14_0289B01: や。
Z14_0289B02: 千代野○前の通りの歌なり。 此女の悟り。奇特な
Z14_0289B03: り。なを下にて云ん。
Z14_0289B04: 此歌の意は○合點したるなるべし。禪宗の嫌ひは。
Z14_0289B05: 姑く置て。まづ自繩自縛せられたり。何ぞや。活句に
Z14_0289B06: 義理を付けぬと。云ことを知られなば。など六塵緣影
Z14_0289B07: の。實體なきを知ると云。義理を付けらるゝや。若し
Z14_0289B08: この活句に。義理を付けられば。復た何ぞ林氏を斥は
Z14_0289B09: ん。況や。緣影の無體。本心の無相は。猶これ水の。た
Z14_0289B10: まりたる光景にて。幻華の無明なり。故に古人は。本
Z14_0289B11: 來覺性。不有無。若說有無。皆不幻との玉へり。
Z14_0289B12: 嗚呼。今談の說禪は。いつでも說敎となる。その談義
Z14_0289B13: 本と云は。まことなるかな。
Z14_0289B14: 無相空寂と云○無相空寂なるべし。此も。あしき合
Z14_0289B15: 點に候。旣に藏通別圓の。敎外に在て。そこのぬけし
Z14_0289B16: 桶を。通敎のそこじや歟。別敎の桶じや歟とは。何と
Z14_0289B17: したる寢言ぞや。千代野。若しこれを。大寂定中に聞

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