浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0289A01: | 天かに別なり。されば。禪流の無修無證の。悟りと云 |
Z14_0289A02: | 者を以ては。敎家の位次を定る修行の例と。せられぬ |
Z14_0289A03: | なり。今談。か樣のわけを。すきと呑込れず。たゞ賤き |
Z14_0289A04: | 者にても。悟れば悟らるゝと云。證據にのみ。心があ |
Z14_0289A05: | りて。六卽を立る敎者には。龜を證して鱉と成す。決 |
Z14_0289A06: | して不相應のことなりと云處に。氣がつかれぬなり。 |
Z14_0289A07: | さて。からうすふみの中にても。本性を見しは。たゞ |
Z14_0289A08: | 盧行者一人なり。かりびとの中にても。自射を合點せ |
Z14_0289A09: | しは。たゞ鞏慧藏一人のみ。かく希代の。大祖師とな |
Z14_0289A10: | る。上根利智の人を以て。末世の愚痴無智の者の。指 |
Z14_0289A11: | 南とせらるゝ段。不審なり。かるき病に。重き藥をあ |
Z14_0289A12: | たゆる。下手醫者にてはなしや。 |
Z14_0289A13: | 日本の橘皇后は○義理の付けられぬことなり。 檀 |
Z14_0289A14: | 林皇后は。已に頓旨を發明し玉ひて。義空禪師。弘法 |
Z14_0289A15: | 大師などゝ。等伍をなせる。再來の人なり。況や。生て |
Z14_0289A16: | は學舘をたて。崩じては中野にすつ。是また凡人の。 |
Z14_0289A17: | 境界に非ず。何ぞ罪障深重なる者の。例とすべけん |
Z14_0289B01: | や。 |
Z14_0289B02: | 千代野○前の通りの歌なり。 此女の悟り。奇特な |
Z14_0289B03: | り。なを下にて云ん。 |
Z14_0289B04: | 此歌の意は○合點したるなるべし。禪宗の嫌ひは。 |
Z14_0289B05: | 姑く置て。まづ自繩自縛せられたり。何ぞや。活句に |
Z14_0289B06: | 義理を付けぬと。云ことを知られなば。など六塵緣影 |
Z14_0289B07: | の。實體なきを知ると云。義理を付けらるゝや。若し |
Z14_0289B08: | この活句に。義理を付けられば。復た何ぞ林氏を斥は |
Z14_0289B09: | ん。況や。緣影の無體。本心の無相は。猶これ水の。た |
Z14_0289B10: | まりたる光景にて。幻華の無明なり。故に古人は。本 |
Z14_0289B11: | 來覺性。不レ屬二有無一。若說二有無一。皆不レ離レ幻との玉へり。 |
Z14_0289B12: | 嗚呼。今談の說禪は。いつでも說敎となる。その談義 |
Z14_0289B13: | 本と云は。まことなるかな。 |
Z14_0289B14: | 無相空寂と云○無相空寂なるべし。此も。あしき合 |
Z14_0289B15: | 點に候。旣に藏通別圓の。敎外に在て。そこのぬけし |
Z14_0289B16: | 桶を。通敎のそこじや歟。別敎の桶じや歟とは。何と |
Z14_0289B17: | したる寢言ぞや。千代野。若しこれを。大寂定中に聞 |