浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0288A01: | にて。悟道したる。貴賤男女の。事跡をあげ。六卽の階 |
Z14_0288A02: | 級をば。捨置つゝ。漫りに今日の。平凡夫の例にせむ |
Z14_0288A03: | と。ひしめかるゝ序分にて。無智の俗子など。ざつと |
Z14_0288A04: | これを聞ば。甚だ惑ふべきことなれば。言の費をかへ |
Z14_0288A05: | りみず。如レ是諫曉する者なり。 |
Z14_0288A06: | 昔しの龍女○畜生なり。 此は。夢中の邪味あり。 |
Z14_0288A07: | さて。畜生の作佛といへば。況や人をやと。心安き樣 |
Z14_0288A08: | に聞ゆれども。此龍女は。實は圓の初住にて。南岳天 |
Z14_0288A09: | 台なども。及び玉はぬ。權化なれば。今日の犬猫など |
Z14_0288A10: | の。悟りを開く。手本とはならず。又この龍女の作佛 |
Z14_0288A11: | には。權實の論ありて。殊の外むづかし。よく〱台 |
Z14_0288A12: | 家の。智者達に尋ぬべし。 |
Z14_0288A13: | 觀經の當機衆なる○女人なり。韋提大士。五百の侍 |
Z14_0288A14: | 女も。皆また。常の凡倫には非ず。故に四明云。韋提。 |
Z14_0288A15: | 本住二法身一。爲レ欲レ發二起淨土觀法一。故示二同凡一と。又云。 |
Z14_0288A16: | 多約二相似一。明二發心位一と。是なり。如レ是。三賢十聖の。 |
Z14_0288A17: | 御身なれば。事理兼修なさるゝが。尤のことなり。 |
Z14_0288B01: | さて又。上の龍女と。此の韋提とは。何と思ふ心にて。 |
Z14_0288B02: | いらなく引れたるや。先づ龍女は。旣に智積菩薩さ |
Z14_0288B03: | へ。疑ふ程の。希有なる聖人なり。次に韋提は。淨土を |
Z14_0288B04: | 開發し玉ふ。法忍の薩埵なり。然ればこの二大菩薩 |
Z14_0288B05: | は。女流に居すと雖も。大丈夫も及ばざれば。百萬の |
Z14_0288B06: | 中に。ひとりもなき。不可思議の境界なり。然るに。古 |
Z14_0288B07: | 今の往生傳に。稱名の行に依て。めでたく出離せし。 |
Z14_0288B08: | 僧俗貴賤男女。及び鳥獸の。唐日本かけて。夥敷ある |
Z14_0288B09: | 靈驗をば。一つも擧ず。さらずともと見ゆる。二大菩 |
Z14_0288B10: | 薩をば。牽强して。今日十惡具足の者を勸る。手鑑に |
Z14_0288B11: | 出さるゝこと。さて〱不思議なる。思ひ入れかな。 |
Z14_0288B12: | 六祖大師は○大祖師となれり。此より下。無相空寂 |
Z14_0288B13: | なるべしまでは。敎外の大機大用を出せり。凡そ禪と |
Z14_0288B14: | 敎とは。悟道の處は。各々言語道斷なれば。一異いひ |
Z14_0288B15: | 難し。但し其入門は。大に殊なり。故に禪流の。卽心是 |
Z14_0288B16: | 佛の頓旨は。更に次第方便をからざれば。直下に承當 |
Z14_0288B17: | す。敎家の六卽を明して。天然の彌勒なき證入とは。 |