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Z1440 即心念仏摘欺説 敬首 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0287A01: の人々は。もとより智慧聰明なる。生れつきなるに。
Z14_0287A02: など事理兼修して。四信五品を成就し。六根淸淨に
Z14_0287A03: は。至り玉はぬぞや。これよりいへば。急に他家の。智
Z14_0287A04: 慧聰明なる男女を。僉議せんよりは。まづ自宗の。智
Z14_0287A05: 慧聰明なる先達も。事理兼修は。ならずと云わけを。
Z14_0287A06: 知り玉へかし。無盡居士云。自欲身居相位。意樂
Z14_0287A07: 。思此世界。五濁亂心。衆惡雜性。無正觀力。無
Z14_0287A08: 因力談義。氣を付られよ。本性彌陀。唯心淨土。不悟達談義。氣を付られよ。
Z14_0287A09: 謹遵釋迦世尊。金口之敎。專念西方極樂世界。阿彌陀
Z14_0287A10: 。求彼世尊。大願大力。加被攝受。待報滿時。往
Z14_0287A11: 極樂。猶如順水乘舟。不自力談義。氣を付られよ。而利矣と。
Z14_0287A12: この言肝要なり。よく工夫して見られよ。翰林の虞學
Z14_0287A13: 士。居士を讚じて。以大辨才。縱橫演說すと云しかば。
Z14_0287A14: その智慧の。聰明なることは知れぬ。兜率の悅公。門
Z14_0287A15: を閇て。いねられしは。能く敎へぬと云つべし。居士。
Z14_0287A16: 深更に榻を下れるは。これ志しのあるなりけり。托鉢
Z14_0287A17: して囘ると云は。能く習ひたる。驗ぞかし。如此。智
Z14_0287B01: 慧聰明にて。悅公能く敎へ。居士能く習ひたれども。
Z14_0287B02: なを卽心觀佛の行にたへず。事理兼修の力なしとて。
Z14_0287B03: 偏に他力本願の。稱名に賴て。往生を願はれぬ。これ
Z14_0287B04: 則ち。昔の後世を思ふ人は。智者は。愚者になるの。樣
Z14_0287B05: 子なる歟。今談は。これとかはりて。末世の愚人へ。と
Z14_0287B06: かく三賢の作法を勸めらる。これ則ち。今人はこれに
Z14_0287B07: 違せりの。謂れならん。さて又。智覺禪師云。當今末
Z14_0287B08: 法。現是五濁惡世。當知自行難圓。他力易就と。明慧
Z14_0287B09: 上人云。末代は。僻事。日に隨ひ年に添へ。假令げにな
Z14_0287B10: りて。誠しき心立したるは少し。されば。何事をすれ
Z14_0287B11: ども。成就する事かたしと。云云良遍僧都云。時代遙
Z14_0287B12: 下。根機甚澆。身心俱弱。障難旁繁。訪善友得。求
Z14_0287B13: 祕要迷。然則雖行雖勤。成就尤難尤希。是則如說
Z14_0287B14: 修行。難故也。若其上根上智之人。今古別事。然昔多今
Z14_0287B15: 少。況於近年來。設有其人。我非其類等と。これ等の
Z14_0287B16: 寶訓は。いかにも末世に在て。自行化他する心持の。
Z14_0287B17: よき手本なるべし。 さて當段は。次下に。別のわけ

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