浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0286A01: | たゞ相生の事觀を。なすべしとなり。因て鳥車の翼輪 |
Z14_0286A02: | は。上根の兼修を。喩へけるなり。その兼修のならざ |
Z14_0286A03: | る。今日の凡夫をば。若衆生。欲二往生一者。唯須レ作二相生 |
Z14_0286A04: | 觀一と。敎へ玉へり。談義の樣に。一つもかけては。な |
Z14_0286A05: | らぬと思ふて。相生の修行を。妨廢せらるゝ僻案と |
Z14_0286A06: | は。殊の外相違せり。 |
Z14_0286A07: | 吾宗の○自由自在なることなり。右の通りなれば。 |
Z14_0286A08: | 迦才師は。事理翼輪を指て。十解の所爲とせり。若し |
Z14_0286A09: | 天台。四明。永明などに依れば。初依止の位なり。さて |
Z14_0286A10: | 其自由自在になるはかたく法忍成就の。上なるこ |
Z14_0286A11: | と。前に明すが如し。今の談を見るに。凡聖混雜して。 |
Z14_0286A12: | 甚だ紛らはし。 |
Z14_0286A13: | 末世の愚癡○わるきゆへなり。此段。また摧邪の邪 |
Z14_0286A14: | 味あり。それ故。尤なる樣にて。反て聞へぬこと。佛敎 |
Z14_0286A15: | の掟をば。かまはれぬと。云者なり。凡そ佛敎の掟は。 |
Z14_0286A16: | 時に正像末あり。法に敎行證あり。機に上中下あり。 |
Z14_0286A17: | 正時は。その機上根なれば。敎行證の三法。みな揃へ |
Z14_0286B01: | り。像時は。その機中根なれば。敎行の二法のみにて。 |
Z14_0286B02: | 證法なし。末時は。その機下根なれば。たゞ敎の一法 |
Z14_0286B03: | のみありて。行證はなし。但し佛世にも。昩旨あれば。 |
Z14_0286B04: | 末代にも。上根あるべしとは。これ別段のわけにて。 |
Z14_0286B05: | 通例には非ず。末代に上根あるは。譬へば千萬朶の蓮 |
Z14_0286B06: | 中に。直頭を出すが如し。至て希なるためしなれば。 |
Z14_0286B07: | 少在屬無の理にて。末世を下根とし。行證なしとは。 |
Z14_0286B08: | 申すらめ。されば善美。觀經等に。於末世時。爲未來世 |
Z14_0286B09: | とあるも。此また。三時の差別。六卽の次位を用て。有 |
Z14_0286B10: | 相無相。事理兼修等の。隨緣假に約して。分別せねば。 |
Z14_0286B11: | ならぬことなり。然るを時機次位にかまはず。隨緣假 |
Z14_0286B12: | にも依らず。ひたすら事理兼修の。一邊ばかりを。勸 |
Z14_0286B13: | め玉はゞ。所謂る技倆惟一。而欲二衆疾普收一ものにて。 |
Z14_0286B14: | 其害はなはだ多からん。さて末世の愚癡無智とは。 |
Z14_0286B15: | 六卽の中には。何れの位の人ぞ。此修行とは。是かの |
Z14_0286B16: | 五品。十解の所爲なりや。但しは生死自在なる。初地 |
Z14_0286B17: | の作略か。四明。慈雲。孤山。梵天。傳敎。慈覺。慧心等 |