ウィンドウを閉じる

Z1440 即心念仏摘欺説 敬首 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0286A01: たゞ相生の事觀を。なすべしとなり。因て鳥車の翼輪
Z14_0286A02: は。上根の兼修を。喩へけるなり。その兼修のならざ
Z14_0286A03: る。今日の凡夫をば。若衆生。欲往生者。唯須相生
Z14_0286A04: と。敎へ玉へり。談義の樣に。一つもかけては。な
Z14_0286A05: らぬと思ふて。相生の修行を。妨廢せらるゝ僻案と
Z14_0286A06: は。殊の外相違せり。
Z14_0286A07: 吾宗の○自由自在なることなり。右の通りなれば。
Z14_0286A08: 迦才師は。事理翼輪を指て。十解の所爲とせり。若し
Z14_0286A09: 天台。四明。永明などに依れば。初依止の位なり。さて
Z14_0286A10: 其自由自在になるはかたく法忍成就の。上なるこ
Z14_0286A11: と。前に明すが如し。今の談を見るに。凡聖混雜して。
Z14_0286A12: 甚だ紛らはし。
Z14_0286A13: 末世の愚癡○わるきゆへなり。此段。また摧邪の邪
Z14_0286A14: 味あり。それ故。尤なる樣にて。反て聞へぬこと。佛敎
Z14_0286A15: の掟をば。かまはれぬと。云者なり。凡そ佛敎の掟は。
Z14_0286A16: 時に正像末あり。法に敎行證あり。機に上中下あり。
Z14_0286A17: 正時は。その機上根なれば。敎行證の三法。みな揃へ
Z14_0286B01: り。像時は。その機中根なれば。敎行の二法のみにて。
Z14_0286B02: 證法なし。末時は。その機下根なれば。たゞ敎の一法
Z14_0286B03: のみありて。行證はなし。但し佛世にも。昩旨あれば。
Z14_0286B04: 末代にも。上根あるべしとは。これ別段のわけにて。
Z14_0286B05: 通例には非ず。末代に上根あるは。譬へば千萬朶の蓮
Z14_0286B06: 中に。直頭を出すが如し。至て希なるためしなれば。
Z14_0286B07: 少在屬無の理にて。末世を下根とし。行證なしとは。
Z14_0286B08: 申すらめ。されば善美。觀經等に。於末世時。爲未來世
Z14_0286B09: とあるも。此また。三時の差別。六卽の次位を用て。有
Z14_0286B10: 相無相。事理兼修等の。隨緣假に約して。分別せねば。
Z14_0286B11: ならぬことなり。然るを時機次位にかまはず。隨緣假
Z14_0286B12: にも依らず。ひたすら事理兼修の。一邊ばかりを。勸
Z14_0286B13: め玉はゞ。所謂る技倆惟一。而欲衆疾普收ものにて。
Z14_0286B14: 其害はなはだ多からん。さて末世の愚癡無智とは。
Z14_0286B15: 六卽の中には。何れの位の人ぞ。此修行とは。是かの
Z14_0286B16: 五品。十解の所爲なりや。但しは生死自在なる。初地
Z14_0286B17: の作略か。四明。慈雲。孤山。梵天。傳敎。慈覺。慧心等

ウィンドウを閉じる