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Z1440 即心念仏摘欺説 敬首 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0285A01: 者なり。さてこそ佛も。淨土の法門を。褒美して。一切
Z14_0285A02: 世間。極難信法とは。說き玉ひぬれ。されば佛の。不思
Z14_0285A03: 議智と申は。よく少を以て多とし。近を以て遠とし。
Z14_0285A04: 輕を以て重とし。短を以て長とし玉ふ。
Z14_0285A05:   この少多近遠。輕重短長のことに付て。種々の義
Z14_0285A06:   あれども。今且くこれを略す。
Z14_0285A07: 自在無碍の法なれば。彼の報生三昩を得て。用に出入
Z14_0285A08: なき。大菩薩すら。なを思ひ議られぬ。境界なるを。罪
Z14_0285A09: 業深き。凡夫の身に。及ばぬことを。思議しつゝ。事の
Z14_0285A10: 念佛なり。理觀がかけたり。なんどの玉ふは。蜉蝣撼
Z14_0285A11: 大樹にてはなしや。さて又。淨土宗の。台家に勝れ
Z14_0285A12: たりと申は。別に高上なる處。ある故には非ず。たゞ
Z14_0285A13: 時を鑑み機に應じて。往生を求るが故に。台家に用る
Z14_0285A14: 所の。三觀の智慧を。悉くすて。台家に淺きことゝ思
Z14_0285A15: へる。口稱の法を。不思議智の。弘願に望めて。甚深微
Z14_0285A16: 妙の法となすが。淨土宗の台家に勝れたる所なり。此
Z14_0285A17: 他緣加持の旨に暗き人は。理觀觀心をのみ。貴きこと
Z14_0285B01: ゝ沙汰する故に。各々持あはせたる。智慧を極めたが
Z14_0285B02: るなり。末の代に。智慧を極めたがるは。是れ却て勝
Z14_0285B03: れざる處なり。是故に。吉水大師も。機根くらべには。
Z14_0285B04: 源空。かちたりとは。の玉へり。よく〱思ひ明むべ
Z14_0285B05: し。されば鄭丞相云。人皆謂。修淨土。不禪敎律
Z14_0285B06: 余獨謂。禪敎律法門。莫淨土。夫眞淨明妙。虛徹
Z14_0285B07: 靈通。凡在智愚。皆具此性。根塵幻境。相與論胥。生死
Z14_0285B08: 輪廻。窮劫不斷。故釋氏。以禪敎律。假說方便。使
Z14_0285B09: 門而入。俱得超悟。惟無量壽佛。獨出一門。曰修行
Z14_0285B10: 淨土。如單方治病。簡要直截。一念之專。卽到彼岸
Z14_0285B11: 緇白。皆可奉行。但知愚俗。淺近之說。其
Z14_0285B12: 實則成佛道。掩徑之途。乃至。總以觀之。論其所入
Z14_0285B13: 則禪敎律。要其所歸。則戒定慧。不禪敎律。而得
Z14_0285B14: 定慧者。其唯淨土之一門乎等と。これ亦あり難き。法
Z14_0285B15: 語なるべし。
Z14_0285B16: 事理の二行は○能く思ふべし。迦才師などの。了簡
Z14_0285B17: に依るに。上根上智の人は。事理兼修し。その下根は。

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