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Z1440 即心念仏摘欺説 敬首 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0284A01: 君臣佐使の法あるが如く。佛法も亦爾り。時に三法あ
Z14_0284A02: り。位に六卽あれば。卽心觀佛と。稱名念佛と。かはる
Z14_0284A03: 〲。君臣となることあるなり。心をとめて勘辨すべ
Z14_0284A04: し。
Z14_0284A05: 事の念佛にても○左樣にてはなし。 此段。夢中。谷
Z14_0284A06: 響の邪味あり。さて。稱名の不可思議功德にて。人
Z14_0284A07: 間は申すに及ばず。鳥類畜類までも。速かに悟りが開
Z14_0284A08: けて。直ちに成佛に至ること。前說に委し。且く光明
Z14_0284A09: 大師の。或得三萬六萬十萬者。皆是上品上生人と。釋
Z14_0284A10: し玉へるは。よも妄語には侍らじ。爾らば其上品は。
Z14_0284A11: 早速は悟りの。開けぬ處なりや。承りたし。但しはこ
Z14_0284A12: の御釋を。用ゐれらぬ歟。若し左樣ならば。他家にて
Z14_0284A13: も。また天台四明の。御義を許すまじ。いかん。
Z14_0284A14: 前にも云ひし通り○開けがたきなり。これ亦。前に
Z14_0284A15: 云が如し。
Z14_0284A16: 禪宗○かくるなり。旣に忘情默契して。語言の表に
Z14_0284A17: ある。向上の巴鼻は。別に一理窟あることなれば。一
Z14_0284B01: 向に理を貴むで。實を執すと。云者にも非ず。それを。
Z14_0284B02: 四敎に判屬し易きの。圓敎の空門じやの。事じやの。
Z14_0284B03: 理じやのと。分別揣摩し玉はゞ。禪家の奴婢も。必ず
Z14_0284B04: 噴飯すべし。
Z14_0284B05: 淨土家○かくるなり。 前に申す如く。淨土宗の。仰
Z14_0284B06: で弘願に仗る。單信無解の念佛には。更に事理の分別
Z14_0284B07: は。せぬなり。霖禪師の。不是事是理。惟將一句佛
Z14_0284B08: 。一心念去と。の玉へるも。この機ぞかし。この怯弱
Z14_0284B09: の機は。已に馬鳴龍樹の。論判に出ぬれば。もとより
Z14_0284B10: 功を上位に摧る。類には非ず。凡そ自力の宗旨には。
Z14_0284B11: 此界にて。各々智慧を用て。戒なり。定なり。慧なり。
Z14_0284B12: 事なり。理なりと。分別簡擇すれば。縱ひ性具善惡。一
Z14_0284B13: 多相卽の。甚深の圓解を生ずとも。猶これ三學分內の
Z14_0284B14: 情見にて。有碍の識ならん。この有碍の識を以て。佛
Z14_0284B15: 智。不思議智。不可稱智。大乘廣智。無等無倫最上勝智
Z14_0284B16: に依て。三學分外へ出たる。稱名を見れば。一向に事
Z14_0284B17: を貴むで。權を許す樣に。疑はれて。つや〱信ぜぬ

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