浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0280A01: | 譯に依らば。往生巳後の行法なり。右何れも。甚深な |
Z14_0280A02: | る修行なれば。今時の衆生などの。企て及ぶことには |
Z14_0280A03: | 非ず。 |
Z14_0280A04: | 然るに極樂○此をよく心得べし。此より下。求め玉 |
Z14_0280A05: | へばなりまでは。佛敎の大意とやらんを。談義せら |
Z14_0280A06: | る。今は卽ち發起序なり。さて其大意とは。知心觀心 |
Z14_0280A07: | にて。これを末世の要行と。思はれけるなり。此は當 |
Z14_0280A08: | 段の初に。淨土宗は。佛敎の大意を。知らずと云に。應 |
Z14_0280A09: | ずる歟。 さて理觀が。末世の要行なりとは。前に段 |
Z14_0280A10: | 々申通り。入品などの爲には。さも有なん。博地のあ |
Z14_0280A11: | ら凡夫には。稱名を至要とすること。明かに天如。一 |
Z14_0280A12: | 元。慧心。顯眞等の。垂訓の如し。雲棲大師も亦云。今 |
Z14_0280A13: | 但稱名。便登二不退一。豈非二徑而復徑者一哉と。今これら |
Z14_0280A14: | をば。忘れられしや。 |
Z14_0280A15: | 凡そ佛敎○外にはなし。此義不審なり。凡そ佛敎の |
Z14_0280A16: | 大意は。諸の衆生をして。生死を離れ。佛果を得せし |
Z14_0280A17: | むるにて。有るべきなり。法華經云。一切諸世尊。皆 |
Z14_0280B01: | 說二一乘道一。化二無量衆生一。令レ入二於佛道一と。大經云。如 |
Z14_0280B02: | 來。以二無盡大悲一。矜二哀三界一。所以出二興於世一と。是な |
Z14_0280B03: | り。さて。其生死を離るゝに付ては。台密禪淨。その |
Z14_0280B04: | 修行まち〱なるべし。謂く台家は。心を觀じ。密家 |
Z14_0280B05: | の知自心は。觀心則易の義と。違ひたれば。三平等句 |
Z14_0280B06: | の法門を以て。佛敎の大意とし。禪家は。知ると云情 |
Z14_0280B07: | 量を出。淨家は。知ると云智慧を捨。然れば。心を知る |
Z14_0280B08: | と云は。但し諸行の中なる。一行なり。その一行を指 |
Z14_0280B09: | で。大意とせらるゝは。心得ぬことなり。さて。縱ひ |
Z14_0280B10: | 台家の。心を知る義より云ふとも。外になしとは。言 |
Z14_0280B11: | を立ること。甚だ過ぎたり。これにては。天台の修行 |
Z14_0280B12: | より外は。佛敎の大意ならぬ樣に聞ゆ。左樣には有ま |
Z14_0280B13: | じ。顧ふに佛の說は。空にしてまた不斷なれば。三世 |
Z14_0280B14: | の心をも。知るべけれども。又ある處には。菩提は心 |
Z14_0280B15: | を以て。得べからずとも。說き玉へり。何ぞ一槪に。外 |
Z14_0280B16: | にはなしと。云べけんや。 |
Z14_0280B17: | 生死出離○外にはなし。心を觀ずるは。但これ台家 |